
PLURALITY(プルラリティ) 多元性の調和が生み出す、新たな未来
世界はひとつの声に支配されるべきではない。
対立を創造に変え、新たな可能性を生む。
プルラリティはそのための道標だ。
空前の技術革新の時代。
AIや大規模プラットフォームは世界をつなぐと同時に分断も生んだ。
だが技術は本来、信頼と協働の仲介者であるべきだ。
複雑な歴史と幾多の分断を越えてきた台湾。
この島で生まれたデジタル民主主義は、その実践例だ。
人々の声を可視化し、多数決が見落としてきた意志の強さをすくい上げる。
多様な声が響き合い、民主的な対話が社会のゆく道を決める。
ひるがえって日本。
少子高齢化、社会の多様化、政治的諦観……。
様々な課題に直面しながら、私たちは社会的分断をいまだ超えられずにいる。
しかし、伝統と革新が同時に息づく日本にこそ、照らせる道があると著者は言う。
プルラリティ(多元性)は、シンギュラリティ(単一性)とは異なる道を示す。
多様な人々が協調しながら技術を活用する未来。
「敵」と「味方」を超越し、調和点をデザインしよう。
無数の声が交わり、新たな地平を拓く。
信頼は架け橋となり、対話は未来を照らす光となる。
現代に生きる私たちこそが、未来の共同設計者である。
OVERVIEW PLURALITYとは

PLURALITYーー多元性の調和が生み出す、新たな未来
プルラリティは、台湾のデジタル民主主義を牽引する初代デジタル大臣オードリー・タンとマイクロソフト首席研究員にして気鋭の経済学者グレン・ワイルが提唱する新たな社会ビジョンです。
2024年5月に『Plurality: The Future of Collaborative Technology and Democracy』と題した書籍が出版され、米TIME誌でも取り上げられるなど、世界で大きな話題となっています。
急速な技術革新の時代において、AIや大規模プラットフォームは世界をつなぐ一方で、フェイクニュースの蔓延や中央集権的な監視などによって民主主義を脅かし、社会的分断を深めています。
日本でも少子高齢化、社会の多様化、政治的諦観など様々な課題に直面しながら、社会的分断をいまだ超えられずにいます。しかし、著者たちは伝統と革新が共存する日本こそ、プルラリティの考え方を活かせる可能性があると指摘しています。

本書では、プルラリティは「社会的差異を超えたコラボレーションのための技術」と定義されています。プルラリティとは「多元性」「複数性」を意味し、「特異点」「単一性」を表すシンギュラリティに対置される概念です。著者たちは単一の視点ではなく多様な考え方を認め、テクノロジーと民主主義の共生を目指すことで、社会的・文化的な違いを超えた相互理解と尊重を育む新たな道を示しています。
真の調和とは差異を避けることではなく、多様な声を積極的に束ねて共通の目標へ向かうことにあります。プルラリティは対立を助長するのではなく、対立を創造的エネルギーに変え、社会的結束や合意形成のための協力的な力を生み出すためのツールと考えを提供するものです。
ENDORSEMENTS 推薦コメント
多元性という広大で無限の広がりの中で、それぞれの生命は唯一無二の尊い存在である...外部の状況がいかに危ういものであろうとも...分かち合う善の種が大地を突き破り、共感、喜び、調和の花へと開花するよう、積極的に行動しよう。
チベット ダライ・ラマ14世法王
技術的に進歩し、政治的に挑戦的で、急速に進化する21世紀において、自由で開かれた未来とはどのようなものだろうか?グレン、オードリー、そして共著者たちは、説得力のある展望を提示している。
ヴィタリック・ブテリン
イーサリアム・ファウンダー
民主主義は相反する価値観の対立であった。しかし台湾では、民主主義は多様な価値観の対話となっている。オードリー・タンは、イデオロギーの制約を超越した「デジタル・デモクラシー」を創造する方法を示してくれた。
蔡英文
中華民国総統(台湾)
オードリー・タンとグレン・ワイルのプロジェクトは、台湾(そして他の国々)が新たな社会民主主義の方向へと進む上で、効果的かつ有意義なものとなるだろう。
柄谷行人
『世界史の構造』著者
ベルクグリューン文化哲学賞受賞者
インターネット技術が分断を加速したのであれば、心地よい共存も実現できるはず。Pluralityには、そのためのヒントがあふれています。
青野慶久
サイボウズ共同創業者兼CEO
新しいゲームのルールを読んだり、そのゲームが構築する世界を想像したりするのは、とてもワクワクする。しかもこのゲームはグローバルな問題であり、コミュニティが協力し合う方法なのだ。素晴らしい!
リチャード・ガーフィールド
マジック:ザ・ギャザリングのクリエイター
Pluralityは、まるで楽観的なSF小説のようだが、すでに現実に起こっている!世界中の民主主義国家は、台湾の足跡をたどってデジタル時代の自由社会をアップグレードできるのだろうか?ハッピーエンドを祈る。
ジョセフ・ゴードン=レヴィット
エミー賞受賞アーティスト、HITRECORD創設者
ABOUT PROJECT 日本語プロジェクトについて
サイボウズ式ブックスよりPLURALITY日本語版刊行
サイボウズ株式会社の出版部門・サイボウズ式ブックスでは、『PLURALITY』の日本語翻訳および書籍刊行プロジェクトを立ち上げました。
サイボウズは「チームワークあふれる社会を創る」というパーパスのもと、テクノロジーの力を活用し、チームのメンバーが共通の理想に向かって役割分担しながら協働することで、組織の生産性と働く人々の幸福度の向上を目指しています。この理念は、プルラリティが描く世界観と深く共鳴するものです。
本プロジェクトでは、原著『Plurality: The Future of Collaborative Technology and Democracy』とその台湾版を基に翻訳を行い、日本語版書籍を制作しました。
翻訳は、世界的ベストセラー『21世紀の資本』(トマ・ピケティ著)の翻訳などで知られる山形浩生氏が担当。解説は、プルラリティの思想と多くの共通点を持ち、その先見性で注目を集める『なめらかな社会とその敵』の著者である鈴木健氏に執筆いただきました。
本書はオープンソースの取り組みとして、現在オンラインで公開されている英語版・中国語版とともに、日本語版の原稿も後日公開する予定です。また、読者の皆様が疑問や感想を共有したり、関連動画などを視聴したりできる日本語フォーラムも開設しておりますので、ぜひご参加ください。
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