ブロガーズ・コラム
「チームワークにおける人間関係」が完全にわかる記事まとめ
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【サイボウズ式編集部より】この「ブロガーズ・コラム」は、著名ブロガーをサイボウズ外部から招いて、チームワークに関するコラムを執筆いただいています。今回はファーレンハイトさんによる「チームワークにおける人間関係」についての記事まとめです。
今日はこれまで書いてきたブロガーズ・コラムの中から、「人間関係」を軸に書いた記事をまとめます。この連載のテーマは「チームワーク」ですが、どのようなチームであっても俺が強く考えているのはそこに集約されるからです。
チームの理想のリーダー像とは?
まずはチームにおける理想のリーダー像です。最悪なのはクネクネとして物事を決めないリーダーだ。例えば、あるトラブルが発生した際に、顧客と上司に板挟まれて、頭を抱えたまま動きを止めてしまうリーダーがいる。
不毛な時間だけが過ぎていき、メンバーもイライラがつのっていく。そんな経験がありませんか?
「横暴なリーダーは会社にとって貴重な存在である」
「言い方を気にせずに強引に進めること」はショートカットのようでいて、決して目標達成の近道ではない。
メンバー全員の意向・事情を汲むことは現実問題として難しい局面が出てくる。ときにはあきらめてもらうことが必要になってくる。
だからこそ、自分のなかでやってはいけないラインを定めておくのは重要なことだ。
自分を尊重してくれるリーダー。リソースの1人としかみなしていないリーダー。どちらのために働きたいだろうか?
「横暴なリーダーは5つの習慣で愛される」
前編では業務を進めるうえでの「ドライブ力」、後編では「人間力」について書きました。組織においては結果にコミットすることは不可欠です。同時に、人間である以上は感情がパフォーマンスを大きく左右します。
自分が見てきたなかで優秀なリーダーは「その人のために頑張りたい」とメンバーに思わせることが長けていたように思えます。一歩間違うと危ない方向に走りそうですが、同時に、リーダーの采配で役割分担を決めて、個々のメンバーの「やりがい」と絶妙に両立させるかのような。
そしてそこにはメンバー(他者)の頭の中と自身の頭の中をすり合わせる努力が前提にあるように思います。
「ズレ」は後工程になればなるほど、修正に必要な時間が莫大に増えていく傾向があるからです。
だからこそ着手の際にズレを潰す必要があるのです。
この事実に対して認識が甘い人が「仕事を依頼するのが下手な人」の正体です。もっと言えば「他人と仕事するのが下手な人」の特徴なのです。
俺らは彼らに振り回されないために、他人を振り回さないために、要件を共有する精度を上げる必要があるのです。
「資料を何度も作り直させるのは三流以下の仕事」
リーダー・メンバー間だけでなく、メンバー間の「仕事の依頼」に顕著に出るのはアウトプットのイメージが共有されていないことです。依頼する側は完成形のイメージを事前に伝えておく、依頼される側も自分のイメージにズレがないかをすり合わせておくことが後工程での無駄と失望を未然に防ぐ良薬です。「なんとなく」で他者と分かり合えることは奇跡に近い。
そしてこういった構図は後輩育成でも起こっています。特に後輩は立場が弱いだけに、苦渋をなめるだけになることが多い。
後輩の育成においてこういった<個性の押し売り>はカタチを数多く変えてされている気がする。
後輩の特性(個性の種)を生かした教育ではなく、自分が優位性を持っているものを基準とした良し悪しの判断だ。
これは後輩のモチベーションを下げ、後輩を潰しうる。
「後輩教育で自分の「個性の押し売り」は後輩をつぶしてしまう」
育成はギャップ分析を援用すれば「As Is」から「To Be」に育ってもらうことに他ならない。ですが、その「To Be」が育成者のエゴになっていることがあまりにも多い。やはり仕事に絶対的に正しいスタイルはないのだから、その人がいちばん輝くスタイルを見つけてあげること。そこを伸ばしてあげること。それが大事だと思うのです。
俺が個人的に考えている"他人に何かを教える・伝えること"の意味は、ちがう思考のクセを持っている人に同じ光景を見てもらうことが目的ということ。
「教え上手な人間の特徴をあばいてみた」
何かを共有するときにおいては「相手に合わせる余裕」が特に大事だと思っていて、それは自分が話したい内容や伝えるペースを崩しても、相手の頭のなかにスッと入り込ませるスキルのことだと思うのです。情報のズームイン・ズームアウトはプレゼンテーションにおいても活用できますよ。
俺の先輩が言ったひとことですごく印象に残っているのは、「人なんて多少ウザくても、誰かに気にかけてほしいものなんだよ」という言葉です。
「会社員は「言われるうちが華」なのか?」
そして「誰かを気にかける」というのは本当に大事なことだと思う。誰だって自分のことを特別なひとりだと思ってもらいたいにも関わらず、少し余裕がなくなると他者に対して雑に接してしまう。「ダメな人を切り捨てる」はもっとも簡単で、チームワークとして最低の行為だと言えるでしょう。
なぜあの人はチームで人気者なのか?
次にチームの人気者の特徴です。まわりに人が集まるタイプの人間はコミュニケーションコストを下げる努力を取っているなぁと感じるのです。報連相1つを取っても、声をかける方が億劫にならないようにしている。
端的にいうと<からみやすい人間>なのだ。だから進んで状況を共有したくなるし、この人に聞けば何とかしてくれるのではないかと思える。
「コミュニケーションコストがかかる人は相手にされない」
優秀の定義は色々あると思いますが、「まわりに頼られている人」が自分は好きですし、そうありたいと思います。仕事において何をやるかは非常に重要ですが、選択権がないことが多いのも事実。だからこそ仕事をどんな風に誰とやるか?を大事にしていってほしいなぁと俺は思うのです。
会社で自分自身を守るには?
次に会社の中での自衛。コツとしては「ある一定のラインまでは気のいい人」と思ってもらい、「一定ラインを越えると明確に拒絶する/キレる」というキャラづくりをすること。フランクな存在であると同時に、必要以上ナメられない技術についてです。
「職場でキレる技術」
期待に応えようと、自分で自分の首を締めてしまうこと。これは本当に恐ろしいです。
「会社や上司の奴隷にならないためには○○をコントロールせよ」
また、会社において「期待値のコントロール」をミスるとけっこうヤバイ。粉骨砕身、その会社で働く気概の人は良いのですが、そうでない人においては"目をかけてもらうこと"と"目をつけられる"の紙一重をうまくすり抜けるべきだと思うのです。
そしてウザいと何かと話題にあがる飲みニケーション。なんらか<思っていること>がそれぞれの腹にあるからだ。
そういった最新情報を取りに行くのが職場の人間関係における飲みの「ウマミ」と言える。
「酒嫌いの僕が、それでも飲みニケーションを勧めたい理由」
元々下戸の自分ですが、それなりに「飲み会」の効用は感じていて職場でもプライベートでも企画することは多々あります。うまく使えば3時間で、平日5日間の効率がまるで変わるコスパ最高の投資にもなりえます。適時、オフィスの外で腹を見せてもらうことの有意義さ。すべて切り捨てる必要はないんじゃないかな?
他人に対して腹をわるのは勇気がいります。同様に、自分が「できない」ことを認めるのも勇気が必要です。
自分にできないことを他人に対して求めるのは人として間違った行為ですが、自分にできないことを(それができる)他人に協力してもらうことは、重要なことです。自分にできることだけを他人にやってもらうのであれば、チームである必要はないですからね。
「自分ができないことを人に求めない人材でありたい」
チームワークの意味は「ひとり」では出来ない質・量を適材適所で機能する「みんな」で処理することにあります。自分にできることを他人に「振る」のはイージーな負荷分散ではありますが、本質的にはその人にしか出来ないことを「お願いする」ことに意義があります。そして、その「お願い」するのは立場や年齢を拠り所にしないスキルが必須ではないでしょうか。
メンバーとして持っておきたい視点
そしてリーダーだけでなく、メンバーとしても持っておきたい視点について。
俺が「この人すげぇな」と思う人は<まだ大丈夫>という考え方を決してしないことでしょうか。
現時点で大丈夫でも、現状維持した結果でもたらされる未来に対して視点を向けているように思える。
常に状況を現在の点ではなく、先に向いた矢印としてとらえている。
「先を見通せるあの人が持っている視点の正体」
この記事では「現在(present)」と「現状維持(Status Quo)」の違いを例に、先手が打てる人は「現状維持でもたらされる未来」を察知してベストな動き方をしているということを書きました。そして、良いチームとはそこが共有されて、各々が同じ視点で現状を打破して、良い未来をたぐり寄せるアクションを取っているのだと思います。
「思い」をどこまで持ち続けられるか?
そして最後に。自分の身近なメンバーの「それぞれの思い」「それぞれの事情」をまずは知ってみようとすること、その前提で「彼らの思い」と「自分の思い」の最大公約数を取れる地点はないだろうか? そこに思いを馳せることからチームワークの一歩は始まるのではないかと思うのであります。
「通勤電車で「みんな頑張ってるなぁ」と思える瞬間が好き」
まったりとした記事で伝えましたが、ここに尽きると思っています。個人と組織の共存には、「目標」や「スローガン」ではなく、こういった「思い」をどこまでそれぞれが持てているかだと俺は思うからです。
どれかの記事があなたにとってチームワーク、「人間関係」を考えるきっかけになればそれ以上のことはありません。
イラスト:マツナガエイコ
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執筆
撮影・イラスト
松永 映子
イラストレーター、Webデザイナー。サイボウズ式ブロガーズコラム/長くはたらく、地方で(一部)挿絵担当。登山大好き。記事やコンテンツに合うイラストを提案していくスタイルが得意。