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講義一覧

自立とは

依存先を

増やすこと

熊谷晋一郎

講師紹介

熊谷晋一郎

東京大学先端科学技術研究センター
准教授/医師

1977年山口県生まれ
新生児仮死の後遺症で脳性麻痺に
小学校から高校まで普通学校へ通い東京大学に進学
東京大学医学部医学科卒業後千葉西病院小児科
埼玉医科大学小児心臓科での勤務
東京大学大学院医学系研究科博士課程での研究生活を経て
2015年から現職専門は小児科学当事者研究
著書にリハビリの夜医学書院2009年
みんなの当事者研究編著金剛出版2017年
当事者研究と専門知生き延びるための知の再配置
編著金剛出版2018年
当事者研究をはじめよう編著金剛出版2019年
当事者研究岩波書店2020年責任の生成
共著新潮社2020年 など

講義名

自立とは依存先を増やすこと

熊谷晋一郎先生の言葉、「自立とは依存先を増やすこと」を本講義の基礎とし、高信頼性組織の観点から、これからの組織の在り方を学びます。先生のこの言葉には、「依存しない」ことが自立ではなく、むしろ特定の対象に依存先を独占されずに、多様な依存先が保障されていることが自立の必要条件であるという意味が込められています。現代社会では、能力主義的で自己責任を重んじる傾向が強まり、他者への依存が否定的に受け止められ、孤独感を抱くことが増えています。本講義を通じて、個人の弱さを認識しつつも、相互依存の力を活用し、組織や社会全体の価値を生み出す方法を学びます。

カリキュラム

  • 第一回

    起点となる当事者のつながりの体験を聴く
    イントロダクション

    2023

    1130

    (木曜日)

    「自立とは依存先を増やすこと」という言葉の背後にある熊谷先生の小児科医時代の経験は、本講義の基盤を築く非常に重要な出発点です。第1回講義では、個人的な経験を通じて、自立の概念がどのように形成されたのかについて、熊谷先生からのエモーショナルな語りが展開されます。第2回以降の講義では、この個人的な経験を「高信頼性組織」の観点から解釈し、普遍的な原則や実践に結びつけていくことが大きなテーマとなります。

  • 第二回

    個人の失敗を責めない組織が、
    なぜ成功するのか?
    心理的安全性、謙虚なリーダーシップ

    2023

    125

    (火曜日)

    「高信頼性組織」とは、過酷な条件下でも事故を減少させ高いパフォーマンスを発揮する組織を指します。最近では、この概念に、包摂的な職場と、学習やパフォーマンスを最大化する文化のヒントが詰まっていると注目されています。第2回講義では、高信頼性組織を「心理的安全性」と「謙虚なリーダーシップ」の観点から解説し、「自立とは依存先を増やすこと」という言葉の背後にある、人が無力(powerlessness)や脆弱性(vulnerability)であることを前提とした「失敗を責めない文化」から生まれるマネジメントに焦点を当てます。

  • 第三回

    組織のパーパスはどこから来るのか?
    共同創造、パーパス

    2023

    1226

    (火曜日)

    第3回講義では、高信頼性組織を「共同創造」と「パーパス」の観点から詳しく掘り下げます。組織のパーパスがどこから生まれるのかという問いに対する手がかりは、共同創造の概念にあります。昨今では、製品やサービスを提供する企業だけでなく、医療、教育、刑事、司法、行政、環境保全、研究など、多くの分野で広まっています。ユーザードリブンのアプローチを通じてパーパスを定義する重要性に焦点を当て、組織における「ユーザー」とは誰であり、その声を組織のパーパスに昇華させる方法を考えます。

  • 第四回

    多様性の価値と意味をあらめて考える
    社会モデル、スティグマ、解釈的不正義

    2024

    111

    (木曜日)

    ダイバーシティ&インクルージョン(多様性と包摂)は、人権だけでなく、高信頼性組織の観点からも避けては通れない重要なテーマです。同質的な組織では、思いがけない欠陥の見落としや、予想外の問題に対処するのが難しくなります。これらの問題を回避し、VUCA(高い予測不可能性)の時代に組織が生き延びるためには、組織の中に多様な視点とバックグラウンドを持つ人がいることが不可欠です。この講義では、多様性と包摂の意味を深く理解するために「社会モデル」「スティグマ」「解釈的不正義」という3つのキーワードを用いて、参加者がそれぞれに関連する自分たちの具体的なエピソードを振り返りつつ考えます。

  • 第五回

    当事者研究でありのままの
    自分を知り、他者と共有する
    当事者研究

    2024

    125

    (木曜日)

    第5回講義では、高信頼性組織を築くための組織文化を育てる一つの手法として、「当事者研究」を取り上げます。当事者研究は、「経験を宝」とみなし、苦労や失敗についての「弱さ」を率直に共有し、それをグループ全体で研究する方法です。弱さや失敗は非難されるべきではなく、むしろ新たな知識と学びの源と位置づけられます。このプロセスを通じて、苦労や失敗のメカニズムや対処法についての理解が深まります。また、対話を通じて共有された研究成果は、グループ全体に知識として蓄積され、組織全体の成長と学びに貢献します。講義では、参加者に実際に当事者研究のワークを体験していただきます。

募集要項

  • 対象

    ・ 大小問わず、現在ご自身が所属する組織で、
    リーダーやマネージャーの役割につかれている方。

    ・ 社会人歴5年〜15年までの、
    組織づくりに課題をもち、
    学びたい意思のある方。

    ・ 多様な個性を生かすオープンでフラットな
    組織づくりに関心がある方。

    ・ 全5回のすべての講義に参加できる方。

  • 募集人数

    30名 ※応募者多数の場合は抽選となります。あらかじめご了承ください。

  • 受講料

    1万円+税

  • 会場

    サイボウズ日本橋オフィス
    〒103-6027
    東京都中央区日本橋2-7-1 東京日本橋タワー 27階

  • 開催日程

    2023.11.30~2024.1.25

  • 開催時間

    19:00~21:30

  • 締め切り

    2023.11.12 23:59まで