ほのぼのデジタルネイティブ育児
子連れでフェスに行ってみた──ITに毒された超インドア家族がフジロックへ、子どもがいい刺激を受けた話
こんにちはkobeniです。この連載「ほのぼのデジタルネイティブ育児」では通常、デジタルネイティブなわが子を育てる中での驚きや発見を、漫画で描いています。今回は番外編として「超インドアのITに毒された一家が、フジロックフェスティバルへ行ったら」という話をお届けします!
フェスに行きたいけど、子どもが小さいし……と思うご両親へ
「フェスやライブに行きたいな。でも子どもが小さいし……」
こうお思いのお父さんお母さん、きっとたくさんいらっしゃるでしょう。子持ちならではの心配事がたくさんある中で、もしわたしがフェス参加を検討していたら、「体験者による、超具体的で役に立つ情報」がほしいだろうと思いました。
この記事は「実際にやってみたらこうだったので、ここに気を付けた方がいいよ」ということを文章でしっかりお伝えし、「想い出」部分は記事末尾のマンガでお伝えしていきます。
超インドア家族がなぜフェスに?
そもそも「超インドア家族がなぜフェスに?」なのですが、それは単にわたしが小沢健二のガチファンだからです。
その上、今年は小沢健二が昔、バンドをいっしょにやっていた小山田圭吾(コーネリアス)もフジロックに出るというではないですか。
事件です。姉さんこれは事件です。さすがに重い腰をあげて行くっきゃない!
というわけで、この2人の出演が決まった5月ごろに、準備を始めたのでした。
また、うちの長男がエレクトーンを習っており、常々、生でライブを見せてあげたいなと思っていました。最近のフェスは子どもが遊ぶ場所もあると聞くし、よい刺激になるかもね? こう思ったことも決め手の1つでした。
フェスの事前準備、まずはチケットから
フジロックフェスティバルは、3日間通して実施され、ライブステージも複数あります。1日の出演アーティスト数は50~60とか、それ以上にのぼります。
チケットには1日券と通し券がありますが、わたしはとりあえず小沢健二とコーネリアスの2人が観られれば良かったので、7/29の1日券を買いました。
意外に思われるかもしれませんが、フジロックは「中学生以下は無料」です。大人のチケットは1日で2万円近くするのでとても高いですが、子どもたちの分が無料だと考えると、お得だったのかもしれません。
フジロックは普通のライブの何倍もの会場キャパがあるため、チケットは開催寸前まで売っていますが、事前にソールドアウトすることもありますので、なるべく早めに購入しましょう。
移動手段と宿の手配。子どもが「退避」できる場所も確保を
会場は苗場です。最寄駅は「越後湯沢」。車、バス、新幹線などの交通手段がありますが、子連れだとやはり車が便利でしょうか。わが家は、上の子がとても車に酔いやすいので、新幹線で移動しました(普通にみどりの窓口で買いました)。
「子連れで日帰り」だとあまりに余裕がないので、できれば前泊とか当日泊にしたいものですよね。泊まるとしたら
- テント泊(通常/ピラミッドガーデン)
- ホテル・民宿泊(オフィシャルツアーあり)
- 苗場プリンスホテル泊
などかなと思います。私たちは「オフィシャルツアー、駅周辺の民宿泊」がとれたので、こちらにしました。
そもそもこのオフィシャルツアーは、種類こそたくさんあるけれど、先着受付となっており、条件のよい宿からどんどん売れてしまいます。発売日の当日にiPhoneとにらめっこして、なんとかとりました。
ですが、終わってみると「テントにすればよかったかな…‥」と思います。なぜかというと、「民宿~越後湯沢駅~バス乗り場~ステージ」の、それぞれの間がけっこう遠いのです。
1日ライブを観て疲れた体でシャトルバス乗り場まで歩き、そこから駅までバスで移動し、さらに車で宿まで……。マイカーで現地に行っていれば、こうも面倒ではないものの、疲れた体の子どもたちを歩かせるのはちょっと酷かなと思いました。
それから子どもがいっしょにいる場合、天候悪化や体調不良で「退避」できる場所があった方がいいと思ったのですね。大人ならちょっと我慢をすればよいですが、子どもはそうもいきません。「これは退避だな」と思った時に、マイテントがあった方がいいな、と思うのです。
ちなみに、私たちは今回、想像以上の雨に降られました。子連れであれば1日のスケジュールをゆったりめにして、夫婦で交代しながら子どもと遊ぶ&ライブを観る、アクシデントがあったらいさぎよくステージをあきらめる、という楽しみ方がよいのではないでしょうか。
「ピラミッドガーデン」は、会場に既にテントが設置されていて、そこをホテルのように予約する仕組みになっているようです。設営がいらないので、キャンプが苦手な方に便利かもしれません。(でも、メインのステージからだいぶ遠いので気をつけてください)
シャトルバスで会場に着いた時、最初に目に入ってきたのが苗場プリンスホテルでした。隣です。フジロックの会場の、隣なんです!中にプールもお子様用のお食事もあるだろうし、ここが最強に決まってるじゃないか! と思うのですが、プリンスホテルはとても人気で、参加アーティストが全部決まってくる前に売り切れちゃうそうですよ。
「フジロックは想像以上に山!」に対する持ち物
さて、宿とチケットが手配できて一安心。次は持ち物の準備です。まずは「もってきて良かったと思ったもの」から。
子連れどうこうの前に注意しなければならないこと、それは「フジロックは想像以上に山」ということです。
毎年フジロックに参加している友達に「レインコートはできればゴアテックスのものがよい」と言われて、「マジで? 雨降るかもわからないのに、そこまで?」と思ったのですが、彼の言ったことは正しかったです……。
あそこまでの雨は珍しいらしいですが、大人も子どもも、ポンチョと長靴がなかったらヤバかったです。(アウトドア用のポンチョでも、通気性があるためしばらくすると水が滲みてくる。だからゴアテックスは確かに最強)
もし「一日中晴れ」だったら、子どもたち用の暑さ対策が必要だったと思います。体験できなかったので、アドバイスできないのですが… 飲食販売の場所が限られているので、水分を自分たちで持参する、とかでしょうか。
夜が想像以上に暗かったので、山用マグライトがとても役に立ちました。子どもは、足元を照らす、頭につけられるライトがよいと思います。あと、下の子(4歳)のために、大音量を避けるためのイヤマフを買いました。
Amazonで2000円ぐらいです。上の子にも耳栓を用意しましたが、「なくても大丈夫」と言って、ナシで聴いていました。
いらなかった持ち物。手荷物は最小限にした方がラク
これ、会場では持っている人が本当に多いのですが、カバンに入らなくて荷物になるし、結構重いし、そもそもずっと雨だったので、しょっちゅう座ることもなかったです。
ステージ間をいろいろ歩くことを考えると、手荷物は最小限にした方がラクです。
折りたたみ椅子は、ライブが始まるまでの場所取りに使う人が多いのですが、子連れだとあまり前方に場所を取ることもできない(危ない)ため、敷物の方がいいと思いました。
これは持っていってよかったと思った持ち物
「着いたら現地で買えばいいや」と、特に用意せずにいたのですが、会場での飲食店は、だいたい行列ができているため、子どもにすぐ与えられないのです。
機嫌が悪くなると大変ですから、おやつ、パンなどの軽食は用意しておくとよいです。
フジロック会場では2017年から、大半のお店で電子マネーが使えるようになりました。それはとても便利なのですが、市内でバスに乗ろうとした時に、「お札はお釣りが出せないので、小銭で払ってください」と言われ、たまたまその時に小銭がまったくなく、困りました。
温泉やお蕎麦屋さんなど、電子マネーが使えないお店も(当然)あります。会場のノリで「しまった、全部チャージしちゃった」とならないように気を付けてください。お札・電子マネー・小銭、ぜんぶあった方がいいです。
お洋服全般ですが、フジロックに行き慣れている人はみんな、ファッションより機能を重視していました!どのバンドTを着ていくか考えるのも楽しいですが、トレッキングシューズなどのガチ山用グッズなどを買っておくと、あとで非常に助かります。地味に「スポーツ用の下着とレギンス」が快適だったことも、書き添えておきます!!
当日の動き方。まずは新幹線に乗ります
さあ、なんだかんだで出発の朝がやってきました。新幹線の時間が決まっているのに、いきなり電車の乗り継ぎがギリギリに……子連れあるあるすぎます。余裕を持って家を出ましょうね。
行きの新幹線は「MAXたにがわ」でした。2階建てで、子どもが喜ぶのはいいんだけど、「わたしたちが乗ったMAXたにがわには、車内販売がなかった」。
これがイタかった。急いで家を出たので、あまり食べ物や飲み物を買っていなかったのですね。お菓子がちょっとだけあったので、なんとか子どものお腹は持ちましたが、こういうことで地味にイタいのが、子連れの面倒なところです。ちなみに「とき」には、車内販売があります!
新幹線は渋滞がないのがよいですね。東京からだと2時間しないうちに着いてしまいます。
越後湯沢駅についてから。駅にはなんでもあります
越後湯沢駅に着いて驚いたのは、「駅になんでもある」ということでした。Mont-bellなどのアウトドアショップが駅構内に待ち構えていて、強そうなレインシューズが店頭に並んでいました。コンビニもWi-Fi完備のカフェもある。ご飯食べるところもおみやげも超充実。
電子マネーのチャージもここでできますが、行列ができていて駅員さんも大変そうだったので、出発前にチャージしておくのが吉です。
一方で「駅」なので、夜は店がぜんぶ閉まります!! 最後のステージが終わってから駅に戻っても、ぜんぶ閉まってるから!!
個人的にはお土産屋さんがとても楽しかったです。地酒がとっても豊富な越後湯沢駅なのでした。
シャトルバスに乗ってから。乗り場から会場はちょっと遠い……
さて越後湯沢駅から、会場まではシャトルバスです。なんだかんだで、2時間ぐらい並んでました…(途中で4歳児が寝ました。割と想定内ではあるが)。私たちが現地入りしたのは13時ごろだったので、もっと早く着いていれば、ここまで混んでいなかったのかな?
バスで山道を揺られること30分、会場が見えてくるとテンションが上がります! 繰り返しますが、バス乗り場から会場が、ちょっと遠い… 私たちはベビーカーを持っていかなかったのですが、軽いB型ベビーカーとか、あった方がよかったかも?
子どもは無料なのですが、入口で、大人と同じようにリストバンドをもらえるんです。こういう心遣いはとってもうれしかったです。
とりあえず会場内に入ったものの、雨が止まないため、なんとかテントのある場所を探しました。「山」「森」といっても、木でしのげる雨は小雨程度。この日はもっと本格的に降っていたので、子どもたちに風邪をひかせないためにも、やっぱり屋根が必要でした。
その後、いろいろあって、グリーンステージ後方の「妊婦さんや未就学児がいる人などが使えるテント」へ。そこには親子連れがたくさんいたので、場所をゆずりあったりして、そこで過ごしました。
いよいよライブ!
最の高でした。大変でしたが、行ってよかったです!
子連れフェスを振り返ってみると…
毎年参加してる人も「ここまでは珍しい」というほどの悪天候だった、2017年のフジロック2日目。
本当は、川遊びができるようになっていたり、子ども向けのコンサートも用意されていたりで、子連れフレンドリーなフェスなのではないかと思います。でもあまりに雨が降りすぎていて、それらのケアもほぼ無駄になっていました。あの退避用テントがなかったら、やむをえずステージを観ることなく帰っていたかもしれません。
来場者数もすごく多かったらしく、小沢健二のステージは混み過ぎてけが人が出そうなほどでした。ほんとうは長男に、小沢健二のステージを見せたかったので、それができなかったのは残念でした。危なくて連れていけなくて。
もしかしたら、小学生~中学生ぐらいまでが先に入れて、安心して見られるライブがあったら楽しいかもしれません。基本的にはフェスは大人が自己責任で参加するものだと思うし、フジロックはその傾向が昔より強まっているような感じがしました。
休んだり退避できる場所がもっと会場にあったらいいのか、あるいはそれは親の方で確保すべきなのかは、私にはちょっとわかりません。ただ、子どもにはとてもよい刺激になったようです。できればまた、連れていってあげたいなと思いました。
それでは、子連れフェスのマンガをどうぞ
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