企業がエイプリルフールにネタを仕込むのも、結構大変なんだよ
※本記事は大人の事情により2013 年 11 月 29 日(金)に内容を一部編集いたしました。
みなさん、お久しぶりです!
『オレオはもっぱら分解して食べるよ派』でおなじみ、サイボウズ式編集部のあーみんです。
みなさんは、今年の4月1日・・・エイプリルフールの日は、何か嘘をついたり、つかれたりしましたか?わたしは友達から「そういえば、この間2千円貸してたの、まだ返してもらってないよね?」と言われ、あやうく架空請求にひっかかってしまうところでした。
近年は4月1日になると、色んな企業のサイトで大掛かりなエイプリルフールネタを披露していますよね。実はサイボウズでも、4月1日のエイプリルフールに乗っかって大規模なプロモーションを行いました。
もしも”某悪の組織”が、サイボウズを導入したら
内容は、世界征服をたくらむ某悪の組織がサイボウズのグループウェアを導入したり、弊社社長の青野を誘拐しようとしたりするという、非常にハートフルな内容でした。
あまりのくだらなさに、インターネット上でもたくさんの方に拡散していただき、話題にしていただきました。ついでに一瞬だけ株価も下がりました。
しかし、エイプリルフールというたった1日のお祭りのために、企業の裏側では一体どんな準備が進められているのでしょうか。
今回はエイプリルフールの裏側に秘められた担当者の努力や想い、愚痴などをこっそりご紹介したいと思います!
今回の企画の担当者は、以前六本木に戦車を走らせるキャンペーンを担当したサイボウズの杉山さんです。現在は、今年の夏に生まれる予定の第二子に会うことを生きがいに、日々仕事のストレスと戦っているそうです。
足りない予算、社内からの反発…厳しい現実を目の当たりに
そもそも、今回の企画はなぜ某悪の組織を起用しようと思ったんですか?
あーみん
某悪の組織は、よく考えたらものすごく統率のとれた組織だと思いませんか?世界征服という大きな目標に向かって、チーム一丸となって行動しています。某正義の味方が現れれば、必ずと言っていいほどそこに現れるし、トップダウンのしくみもしっかりしています。これ、一般企業だったらかなり優良な組織になってたんじゃないかなあって思ったんですよ。
そ、そうですね。組織の為に命を投げうってでも行動する姿は、まるで社ち…いえ、サラリーマンの鑑だと思います。
あーみん
僕らはそこに目を付けたんです。某悪の組織は、完璧なはずなのに、某正義の味方を倒して世界征服を果たすという目標には至っていない。それにはきっと何か足りないものがあるんじゃないかと。そこで、サイボウズです。
ナチュラルに弊社が登場しましたね。
あーみん
サイボウズはチームワーク向上に役立つサービスを提供しています。某悪の組織にサイボウズのグループウェアが加われば、最強の組織に生まれ変わるんじゃないか、と。
非常に斬新なアイデアですね。
あーみん
この案が出たのが2012年10月。エイプリルフール当日から逆算して、約半年前でした。 当初、やりたい企画を概算で見積もったところ、なんと1億円以上かかる計算になってしまいました。
社内からは「たかがエイプリルフール1日のために、そんなに予算を使わなくたって・・・」 と、否定的な意見も出ていました。至極まっとうすぎて、ぐうの音も出ません。 そこをなんとか切りつめて切りつめて、なんとか【自主規制】万円に抑えるように調整したそうです。
?
もちろん、たった1日の打上げ花火のために莫大な投資をするわけではありません。我々はこのエイプリルフールをフックにして長期的に某悪の組織を起用したプロモーションを行う予定でした。そりゃあもう、必死に説得しました。
こうして約1ヶ月にわたる社内調整(必死の説得)の末、2013年のエイプリルフールは 『”某悪の組織”のサイボウズ導入』に決定したのでした。
限られた条件の中で最高のパフォーマンスを…
実際に撮影に入ったのは年が明けた2013年1月ごろ。
?某悪の組織の戦闘員さんの秘密基地にお邪魔したり、某悪の組織の戦闘員さんとおしゃべりしたりしつつ、撮影は滞りなく進んで行きました。
時折、ふとっちょな某悪の組織の戦闘員さんが、某正義の味方と某悪の組織の対決の歴史について教えてくれたりしました。某悪の組織の中にも、気さくな人たちがいるようです。
本来であれば撮影の模様とか、いろいろ書きたかったことはたくさんあるのですが、
その辺は大人の事情により割愛させていただきます。すみません。
全体を通して、特に苦労した点はどういったところですか?
あーみん
やはり、出来る事と出来ない事があるため、そのあたりの調整は少し苦労しましたね。
具体的にはどういったことですか?
あーみん
例えば、某悪の組織の戦闘員が恋人とデートをしている時に、急な呼び出しがあって現場に駆け付けるというシーンを考えていたんです。でも某悪の組織の戦闘員は家庭を持たないので、そこはやはり変えたくないな、と。
ずいぶんストイックな方々なんですね~。
あーみん
あとは、ラーメンを食べるシーンを想定していたんですが、汁がはねて身体が汚れるということでNGが出てしまったり・・・
確かに身体に飛んだら熱そうですもんね。あれ?でもラーメンを食べるシーンを見かけたような気がするんですが・・・
あーみん
はい。あれは、ラーメンではなくカップラーメンにして汁はねのリスクを最小限にとどめることでOKをもらいました。
それと、苦労とは違うかもしれませんが、今回『某悪の組織専用の提案書』も作りました。組織の課題を洗い出し、それに対する解決策をどう提案するか…というのは意外に頭を悩ませました。
今まで何気なく見ていた某悪の組織にも、その背景にはきちんとした歴史の流れがありました。 奥が深いです。
その他にも苦労話は無かったんですか?血尿が出たとか、脱腸したとか。
あーみん
何を期待しているんですか・・・。いや、でもありましたよ正直。今回、4月1日っていう決まった締切があるじゃないですか。この日を逃したら全てが水の泡になってしまうので、絶対に間に合わせる必要があったんです。そういう意味では時間との戦いでしたね。おかげで高血圧になりました。
ちなみに数値はどのくらいでしたか?
あーみん
最高は・・・上は160を超えたこともありました。
ボーリングのスコアだったらちょっとした自慢になりますね。
あーみん
ストレスを感じていたのは僕だけじゃないんです。今回の企画を担当してくれた広告代理店の担当者さんなんか、不眠症になって眠れなくなったそうです。せっかく寝付いても、某悪の組織の戦闘員たちに囲まれる悪夢で目が覚めてしまったそうですよ。
広告代理店のお仕事は大変なイメージがありますけど、本当に(色んな意味で)大変なんですね。
あーみん
はい。でも僕自身も、部長からだいぶ詰められたので・・・お互い様だと思っています。(笑)
今回のエイプリルフールの裏側には、こんな努力があったのです。
一見楽しそうに見える企画も、裏では血で血を洗う争いが繰り広げられていることが多々あります。 それでも、たった1日のエイプリルフールのために、なぜこんなにも頑張ることができたのでしょうか。
近年、各企業がエイプリルフールの日にどんなアホなことをするかを楽しみにしていらっしゃる方も多くいらっしゃると思います。くだらない、と思われる方ももちろんいらっしゃるでしょう。でも、そのくだらないことにも本気で取り組むことで、少しでも日本を活気づけられたらと思っています。
2013年のサイボウズ エイプリルフール企画も、杉山さんたちの努力の甲斐あってか、皆さまから大きな反響をいただくことができました。
こんなふざけた企画ですが、裏側ではいい歳したオッサンたちが真剣な顔でディスカッションし、高まる血圧と戦いながら、文字通り血の滲むような努力を重ねて準備を進めてきました。
それもこれも、皆さまからの「面白かった」の言葉をいただくため・・・あと、ついでにサイボウズの売上アップのため・・・我々の生活のため・・・。
果たして来年はどんなおふざけをするのでしょうか? 「日本を活気づけたい」とドヤ顔で言ったくせに、結局忙しくて何もしなかったというオチも期待できますね~。
それではまた!
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