【ドッキリ企画】夫の結婚生活本音トーク、実は妻がすべて聞いていたら……?
保育園の待機児童問題をどうにかクリアして、受け入れ先が決まった夫婦。
ようやく働けるかと思ったら、今度は朝早くから準備して子どもを預けたり、仕事はまだ途中のまま保育園まで迎えに行ったり、とにかく忙しい日々が始まります。
仕事に家事に育児にと、繁忙を極めて体力は消耗していくばかりですが、そんな状況の子持ち家庭って、きちんと夫婦で会話する時間を取れるものなんでしょうか? もうどんどん冷めていったりしちゃうんじゃないの……??
この疑問を解決するために、今回は「あるドッキリ企画」で、子持ち家庭の夫婦がきちんとコミュニケーションを取れているのか探ってみることにしました!
ドッキリをしかけて夫婦の本音を探る!
子持ち夫婦が普段どのくらい本音のコミュニケーションをできているか調べるために、今回は共働きの子持ち夫婦3組に、「夫婦間コミュニケーションについての調査をするから、モニターとして参加してほしい」と声をかけました。また、このとき「夫婦は別々に取材をするので、お互いに話した内容が伝わることはありません」と伝えたうえで、それぞれ別室に集まってもらいます。
しかし実際は、旦那さんの部屋にはマイク付のカメラ が設置されていて、別室にいる奥さんたちが一部始終、その様子を見ています。
この状況で旦那さんに「奥さんとコミュニケーションは取れていますか?」などの質問をして本音を引き出した後、奥さんが登場してタネ明かし。その後は、夫婦で改めて本音トークをしてもらいます。
※もちろん、奥さんには事前にタネ明かしをしています。
ハラハラしながら聞く、旦那さんたちの本音
ドッキリ企画当日。
「夫婦別々の調査」と認識して参加した旦那さんたちは、「みんな似たような苦労を味わっている」という共通認識があるせいか、和やかな雰囲気で調査の開始を待ちます。
一方、奥さんたちは別フロアで旦那さんたちのことを見守ります。
心なしか、すでにちょっと心配そうな表情……。
そんな奥さんたちの心配をよそに、取材はスタート。
まずはサイボウズが制作したワークスタイルドラマ『声』の4~6話(ドラマは公開を終了しました)を鑑賞してもらいます。多忙のあまりコミュニケーションを疎かにしていた夫婦が、改めてお互いの本音と向き合うまでの過程を描いた作品、旦那さんたちにはどのように映るのでしょうか……。
奥さんたちにも、同様の内容を鑑賞してもらっています。
夫婦ともに、自分事のように捉えてもらえている様子。
静かに時間が過ぎます……。
ドラマを見終えると、さっそく旦那さんたちへの取材を開始します。
まずはヘアメイクやカメラマンのマネジメントをしている清水さんから。
今年の4月から保育園に入園する長男くんと奥さんと3人暮らしをしている清水さん。平日の平均退社時間は21時ごろとのこと。
インタビューさせていただくカツセです。よろしくお願いします。奥さんとは普段、どのくらいコミュニケーションを取れているんですか?
平日は帰ると妻も子どもも寝ていることが多く、朝早い時間しか会話をできるタイミングがないんです。
でも、だからこそ早めに起きて、朝からお互いの支度をしつつ、会話をする時間をとるようにはしています。
忙しい中でもコミュニケーションの時間を2時間も取れているのはすごいと思います。
会話の内容はどういったものが多いですか?
仕事や子どもの成長についての話題が多いですね。
家事や育児は、どのくらいやっているのでしょう?
夕飯は妻に任せてしまうことが多いですが、朝に洗濯や離乳食を作るのは僕の役割になっています。4月からは妻が復職するので、そのときにバランスをうまく取ってあげられるかですよね。
土日になると子どもを僕に任せて、妻は友人とカフェに行ったりするのですが、子どもから少し離れて気分転換するのも大事だと思っています。引き続き、自由にさせてあげる時間は取ってあげたいですね。
……大体話は合ってるんですけど、喜ばそうとしてやってくれていることも、こっちが忙しいとイラっとしちゃうんですよねえ……(苦笑)。あとは、家事も、あと一歩のところがなあ……。
画面を見ながら独り言のようにつぶやく奥さん。
旦那さんが良かれと思ってとった行動も、奥さんには違うかたちで伝わることがあるようですね……。
続いて教育系のIT企業でデザイナーとして働く石渡さんにお話を伺います。
3歳と0歳の男の子2人の父となる石渡さんも、平日の平均帰宅時間は23時ごろとだいぶ遅め。
石渡さんは帰りの時間も遅いようですが、奥さんとどのようにコミュニケーションを取っていますか?
ドラマ『声』を見ていて、前半はもう、僕そのまんまだなあって思いました。
平日朝は仕事の準備や子どもを送るためにバタバタしているし、帰宅は23時過ぎ。『今日なにかあった?』って話をするのも、ほんの20分程度だと思います。
でも20分だけでも、話を聞いてあげるというか、妻のストレス発散の場を作ってあげないといけないなと思って、その時間は大事にしているんです。
やはり仕事が忙しいとそうなりそうですよね。平日に会話できないぶんは、土日でカバーされているんですか?
そうですね。子どもも小さいのであまり遠出はできないですが、近くの公園に行って家族でのんびりすることもあります。
ただ、夫婦で会話をしようとしても、子どもが3歳にもなると会話にも参加してくるんですよね。だから純粋な夫婦の時間は、減ってきていると思います。
いやいやいや、公園とか連れて行ってもらったこと、ほとんどない……。
家事や育児も、土日には積極的に参加されるんですか?
家事については、平日は妻任せになってしまいますが、土日になると料理や掃除は全般やるようにしています。離乳食も、日曜日に平日分全て作り置きするようにしていますし。
でも、妻からは『家事よりも育児をもっとやってほしい』とよく注意されています。お風呂に入れるのも、慣れてない僕がやると逆に迷惑をかけたり、邪魔になっちゃうんじゃないかなと思ってしまっていて……。そこは課題ですね……。
平日の分まで離乳食を作り置きするって、なかなかできる旦那さんいないんじゃないでしょうか! そのスキルは奥さんも助かってそうですね。
いや、家事はするんですけど……、本当はもっと育児してほしいんですよね。でもそれってわざわざこっちからお願いすることじゃないし、普通、言わなくてもしますよね……。
モニター越しに手厳しい意見が飛び出す奥さんたち。
このあと対面したとき、ケンカにならないといいのですが……。
最後は会計事務所を経営されている平野さん。
奥さんとそれぞれ会計事務所を経営しながら、8カ月のお子さんを育てています。平均帰宅時間は18時ごろと早いですが、経営側の立場から育児休暇も短時間勤務も存在しない状況で子育てをしているとのこと。
平野さんはご夫婦揃って自営業ということで、また環境が異なると思います。どのように育児や仕事のバランスを取っていますか?
育児休暇も何もないので、平日は妻の事務所に子どもを連れて行ってもらっています。妻の事務所には義母も駐在しているので、そこに甘えさせてもらっている部分が大きいですね。孫のことが可愛いみたいですし。
会話の内容自体は、仕事の話と子どもの話、あとはお互いのスケジュールの話をしています。
母は別に、孫がかわいいから来てくれてるわけじゃないんですよ。そこがわかってない……。
事務所に子どもを連れていけるのは経営者の強みなのかもしれませんが、それでも産休や短時間勤務がないのは大変ですよね。家事や育児の分担は、どのようにしているんですか?
妻も経営者なのでずっと子どもがいる状態では仕事になりませんし、週に1回は僕が子どもを預かるようにしています。
洗濯も掃除もやりますが、でも料理に関してはノータッチで、離乳食も作れないんですよね……。分担してしまって、『片方がわかっていればいいかな』という思いが強いのかもしれません。
「旦那さんが『家事や育児を100%がんばっているぞ!』と思っていることも、女性にとっては80%くらいなんだよね(笑)」という話で盛り上がる奥さんサイド。
画面越しの旦那さんを見て、さまざまな気持ちを持ったようです。
いよいよタネ明かし
旦那さんたちへのヒアリングが一通り終わったところで、いよいよタネ明かしの瞬間が近づきます。
旦那さんたちに気付かれないように、そっと部屋に近づくご家族の皆さん。
旦那さんたちはもちろん何も知らずにくつろいでいましたが、「ここからは、ゲストも参加します」というスタッフの一言に、「え……?」と硬直。
……誰?
すみません。実は、これまでの会話、全て奥さんたちに筒抜けになっていたんです。
マジでーーーー!!?
普段は聞けない、夫婦の本音
部屋が賑やかになったところで、ここからはご夫婦に質問していきます。
当然ながら、奥さんは旦那さんの本音を全て聞いているので、まずはその感想から聞いてみることに。
■清水さんご夫婦
まずは奥さんにお伺いしたいのですが、旦那さんが話していた内容は正しかったですか?
大体は、事実どおりだと思います(笑)
大体は、ということは、全部が事実ではない、と(笑)
たしかにすごく協力してくれていて、助かっている部分も多いんです。ただ、欲を言うと、もうちょっとだけ頑張ってほしいかなって思っています。
例えば離乳食を作るにも、そのあとの片付けまで頑張るとか、洗い物をするにも、食器をしまうところまでやってもらえたら、とか。
何も言えないですね……。
ほんのあとちょっとやってもらえるだけで、こちらの負荷がかなり軽くなるんです。よく家事については「旦那さんの100%が奥さんの80%」と言いますが、本当にそれなんだよなあって思っています(笑)
清水さんは、奥さんの本音を伺ってどんな気分ですか?
片付けまでやれていないとか、もうあと一歩やりきらないところに、確かに後ろめたさはあるんですよ(笑)。「やらなきゃな」って気持ちはあるんですけど、動けていなかったんですよね……。
でも4月からは妻も仕事に復帰するし、そうなるころにはきちんと最後まで家事もやれなきゃいけないって、言葉にされて改めて思いました。……ってここで宣言せざるを得ない空気ですよね、これ?(笑)
ありがとうございます(笑)。でも伺っていると、4月に向けてお二人の家事分担がもっと改善されると、会話できる時間もさらに増えそうですよね。
そうですね、そこに向けて話し合っていきたいです。
■石渡さんご夫婦
続いて、石渡さんの奥さんにお伺いします。旦那さんいわく、平日の会話は夜中に20分ほどと言うことでしたが、ご夫婦で会話の時間は取れていたんですか?
はい。でも、仕事だから帰りが遅いのは仕方ないですし、寝る前のちょっとした時間で会話をするしかないから平日も起きてるんですが、別にこっちのストレス発散に付き合ってほしくて話してるわけじゃないんです。
20分でも会話をしないと平日5日間まったくコミュニケーションを取らなくなってしまうので、こちらもそのことへの危機感もあって、話すようにしています。だから「聞いてあげている」という感覚はちょっと改めてほしいですね……。
会話していてリアクションが薄いのは、疲れているから仕方ないと思っているんですけど……。あとは、家事よりも育児を頑張ってほしいなあと思っています。
「家事よりも育児」という点は旦那さんも挙げていましたね。やはり課題だと思いますか?
子どもは男2人兄弟だから、父親から教えた方がいいこともいっぱいあるんだろうなあと思いつつ、それができてない申し訳なさがあります。
料理も、僕が好きだからやっているだけというのもあるので、育児に関してはもっと積極的にならなきゃなあと思いました。
でも、平日のコミュニケーションは、あれでも反応しているんです! 疲れて表情が変わらないですけど!(笑)
「一緒にお風呂入るの、慣れると楽しいですよ!」と、ほかの旦那さんから励しの声がかかるシーンもありました。
■平野さんご夫婦
最後は平野さんご夫婦に伺います。奥さんがお子さんを会社に連れていっているとのことでしたが、家事や育児のバランスについてはどのような気持ちでいたのでしょうか?
育児も家事も助けられていますし、夫が話していた内容に間違いはなかったです。ただ、「義母がいるから預けて安心」という考え方はしてほしくないと思いました。母にとっても孫の存在はかわいいと思いますが、それでも長時間お世話をするのは本当に大変なんです。
夫はまだ起業したばかりだから頑張りたいんだろうなと思って、こちらができるだけ子どもを預かるようにしているのに、「お義母さんがいるから」という理由だけでこっちが子どもを預かっているように思われるのは、ちょっと違うと思いました。
「かわいいのは最初の5分」とはよく言いますし、子どものお世話をするのはお義母さんであっても本当に大変なんでしょうね。平野さんは今後の子育てについてどのように考えていますか?
時間を作ってもらっているのは認識していますし、感謝しています……! どちらも経営者という立場なので、大変なのもよくわかっているつもりです。
ただ、僕の会社は立ち上げたばかりなのもあって、今が頑張り時なんですよね。その中で仕事と家庭のバランスをどうやって取るのかは、今後も課題ですし、どうやって負担を減らしていけるか考えなきゃいけないと思いました。
立ち上げたばかりの会社で自分が責任者となると、家庭ばかりでいられないのは仕方ないことなのかもしれません。ただ、その中でもどうやって仕事と家庭のバランスを取るのかは今後を考える上でもとても重要。前向きに、そして真剣に検討していくようでした。
しかし、奥さんからは男性陣の心に刺さるこんな一言も。
周りの家庭と比べてみても、夫が家事も育児も率先してやってくれている方なのはわかっているんです。でも、そこは本来、他者と比較するべきポイントじゃない。
家庭ごとに理想のバランスがあるはずだし、周りと比較しないで、ふたりの負担をいかに軽くするかを考えるべきだと思うんです。
もっともすぎる意見に、会場一同、ただただ頷く場面でした。
家庭こそ、他人と比較すべきものではないのかもしれません。
まとめ
こうしてドッキリ企画は終了しました!
参加したご夫婦の話や、ドラマ『声』を見て思ったのは、たとえ日常的に会話の時間が取れている夫婦でも、改まった場がないと、その内側にある心の声にまでたどり着くのは難しいということ。
3組の家族は、それぞれ家庭の状況も環境も異なりました。旦那さんが家事や育児で協力できる範囲も異なれば、奥さんが旦那さんに望む内容もまたそれぞれです。つまり「理想の家庭像」も、その夫婦や家族によってまた異なるということ。
「夫婦で働く」という選択肢も、きっと「理想の家庭」を築くためのプロセスのひとつに過ぎないのでしょうが、そのプロセスの中で、お互いの気持ちがすれ違ってしまっては元も子もないことですよね。
お互い、仕事や家事で忙しい。
お互い、本当に疲れている。
そういった状況に立たされたときこそ、お互いの「声」に耳を澄ませることが大切なのではないでしょうか。
ちょっと緊張しながらも、まるで初めて打ち明けるように本音を伝え合うご夫婦を見て、それを実感することとなりました。
ご協力いただいたご夫婦の皆さん、本当にありがとうございました!
文:カツセマサヒコ(プレスラボ)/写真:安井信介、関口佳代/企画:小原弓佳
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