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速乾! 上履きハンガーを自作する──コデラ総研 家庭部(34)
テクニカルライター/コラムニストの小寺信良さんによる「techな人が家事、子育てをすると」というテーマの連載(隔週木曜日)の第34回(これまでの連載一覧)。今回のお題は「速乾! 上履きハンガーを自作する」。
文・写真:小寺 信良
カバー写真:風穴 江(「tech@サイボウズ式」編集部)
普段、靴をガシガシ丸洗いする機会はそうないと思われるが、子供の上履きは別である。学校で一体何をしているのか、毎週毎週ものすごい汚れのかたまりとして戻ってくる上履きだが、多くの学校では子供が自分で洗うように指導されているのではないだろうか。
そうはいっても所詮は子供のやることなので、大人が洗うようにキッチリ擦り上げるようなわけにはいかない。上履き洗い用洗剤をちょこちょこっと付けて水ですすいで終わり、みたいなことも多く、月に1度ぐらいは大人の力でしっかり洗ってやらないとどうしようもないという結果になりがちである。
上履きも簡単に洗えるのは結構なことだが、冬場は乾くのに時間がかかる。週末に天気が悪いと、2日干していてもしっとりしているときがあって、なかなかやっかいだ。しかもそういうときに限って土曜日に上履き洗いを忘れ、日曜日の夜になって泣きついてくるような事態になる。だから土曜日からちゃんと洗っておけとあれほど、などと言ってもあとの祭りなので、親がなんとかするしかない。
ストーブや石油ファンヒーターなどの前に干しておけばすぐ乾くのだが、どうやってベストなポジションに上履きを置いておくかが問題だ。市販の上履きハンガーもあるが、ああいうものは大抵、上履きが向かい合わせになるような設計になっている。だがファンヒーターの温風は一方向から吹き出すわけだし、なによりも上履きの内部に温風が通らないと乾かないので、両方の上履きがそろって前を向いているほうが望ましいわけだ。
加えて市販の上履きハンガーは樹脂製なので、長時間温風に晒すと溶けたり変形したり、あるいは燃えたりという心配もある。したがって、温風で乾かす用途には使いづらいのが実情だ。そこでいろいろ試行錯誤の末、上履きが両方とも正面を向き、しかも熱に強い金属製上履きハンガーを考案してみた。
2分で作れる上履きハンガー
材料としては、クリーニング店などで貰える、針金ハンガーのみである。これを曲げて上履きハンガーを作る。男性なら素手でおりゃおりゃと曲げられる程度の工作だと思うが、女性はペンチなどを併用したほうが綺麗にできるだろう。
[1]用意した針金ハンガーを、真ん中から2つに折り曲げる。角度としては45°ぐらいだ。
[2]続いてハンガーの肩のほうを、端から5cmぐらいのところから上向きに折り曲げる。角度としては45°だ。
[3]最初に折り曲げた下の辺の先端を、端から5cmぐらいのところからこちらも上向きに折り曲げる。角度としては90°を目安に。
[4]フック部分が後ろ向きになってない場合は、ねじって後ろ向きに向くよう調整する。
これでできあがりだ。あとは写真のように上履きをかけたあと、パイプ椅子など適当なものを利用して上履きをつり下げ、石油ファンヒーターなどの熱源に向けておく。上手く風が中まで入るように、ハンガーの曲げ角度などは各自現物合わせで微調整していただきたい。かつ上履きが焦げないように、熱源からの距離を調整していただきたい。
うちのファンヒーターの場合、30分ぐらいで乾いてしまうので、朝出かける直前でも、子供にごはんを食べさせている間に乾かすことができる。前日に干してても、なんだかしっとりしているような場合にも使える。
「30分も待てない、緊急!」という場合は、上履きの中にドライヤーを突っ込んで温風で7~8分も回しておくと、だいたい乾く。両方で15分ぐらいなので、ファンヒーターより速い。ただしドライヤーによっては、熱が上がりすぎると自動的にOFFになったりするので、適度に空気が逃げるように設置するのもポイントである。またドライヤー自体かなり電力を食うので、電気ポットや電子レンジを多用する朝の忙しい時間帯にブレーカーが落ちたりすると人生いやになったりする。その点だけ注意していただきたい。(了)
本連載では、読者の皆さんからの、ご意見、ご質問、とりあげて欲しいトピックなどを、広く募集しています。編集部、または担当編集の風穴まで、お気軽にお寄せください。(編集部)
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