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2台目の掃除機にダイソンを買い増す──コデラ総研 家庭部(40)
テクニカルライター/コラムニストの小寺信良さんによる「techな人が家事、子育てをすると」というテーマの連載(隔週木曜日)の第40回(これまでの連載一覧)。今回のお題は「2台目の掃除機にダイソンを買い増す」。
文・写真:小寺 信良
近ごろ掃除機では、ダイソンの人気がまた復活しているようである。以前は吸引力のスペックを公開しないなど、国内メーカーと比較されることを嫌う姿勢がメディアに叩かれたこともあり、「本当に吸うのか?」と疑問アリの評価が下されていた。
欧米では比較広告が主流なので、いちいちスペックを数値化などしない。一方日本では、比較広告は景品表示法でも考え方が示され、消費者庁ではガイドラインも出して厳格に運用が規定されているため、ほとんど行なわれていない。だからスペックによって性能を比較するしかなく、多くの消費者はスペックシートの見方もそれなりに理解しているという状況にある。
最近になってダイソンの人気が復活したのは、積極的に発表会も行ない、イベントなどに多数出展してデモを行なっているからだろう。日本では昔から店頭デモでよくモノが売れる国でもあるのだ。
筆者宅でも以前から、もう1台掃除機が欲しいと思っていた。今はパナソニック製のキャニスター型を使っているが、これそのものには不満はない。だがうちは2階建てで、掃除するためには1階2階を掃除機を持って移動しなければならない。1階のリビングを掃除しようと思ったら、「あー掃除機2階だー」とわざわざ取りに行き、2階の寝室を掃除しようと思ったら、「あー掃除機1階だー」とまた取りに行くことになる。
さらには階段の掃除は、上下どちらからでもコンセントが端まで届かないので、下から半分だけ掃除し、今度は2階に持っていってコンセントに挿し直し、上から半分まで掃除するというめんどくさいことになっている。
そこで、何かと評判になっているダイソンのコードレスクリーナーを購入することにした。「dyson fluffy DC74 モーターヘッド」というモデルである。ダイレクト通販で8万円強。これまでうちで買った掃除機の中では、もっとも高価である。
ダイソンのコードレスクリーナーとハンディクリーナーは、本体部分はシリーズ共通だ。ロングパイプとローラークリーナーなどが付属するのがコードレスクリーナーで、本体に直接ローラークリーナーを装着するのがハンディクリーナーだ。最初ハンディクリーナーを買って、あとで備品を買い足せばコードレスクリーナーになる。ただトータルでは、最初から備品付きのほうが若干安いようだ。
この上には「DC74 モーターヘッド コンプリート」という商品もあるが、違いは延長ホースと布団掃除用ヘッド、ハードブラシが付いているというだけなので、必要ならあとから買えばいい。
ダイソンのメリット、デメリット
そもそもコードレスクリーナーを購入したのが初めてだったので、最初は電源ケーブルなしで普通に床掃除ができることにいたく感激した。しかししばらく使ってみると、強みと弱点が分かってくる。
まず強みは、ミニモーターヘッドだ。これは吸い口が小さく、中にあるナイロンのブラシが回転しながら吸い込むというものだ。うちには猫がいて、お気に入りのソファで長時間寝ていることが多いのだが、布製ソファなのでどうしても抜け毛が大量にこびりつく。この部分の掃除には、まさにミニモーターヘッドが最適だった。ナイロンブラシで毛を掻き出しながら、瞬時に吸ってくれる。
また布団の掃除も、このヘッドで十分対応できる。シーツをピンと張ってないと巻き込んでしまう難点はあるのだが、これまではただ吸っただけでは取れなかった猫の毛が大量に取れる。ゴミのタンク部分が透明なので、どれぐらい吸えたのか結果が確認できるのも楽しい。
一方で盛んに宣伝しているソフトローラークリーナーヘッドは、評判ほどではないなと感じた。これはナイロンフェルト地のローラーで小さいゴミも大きなゴミも吸い込むというフレコミなのだが、実はお菓子の袋の切れっ端みたいなものに弱い。ローラーでクルッと巻き取るのだが、吸い取られずにその勢いで前に吐き出される。何回やっても同じだ。
このヘッドは、大きくて平たいゴミ、例えばバンドエイドの粘着部分にくっつけてある紙テープ的なものとか、布の切れっ端とか、そういうものが苦手のようだ。要するにうちの子がまき散らすゴミの大半が、これでは太刀打ちできないわけである。したがって子供部屋の掃除には、失格だった。
充電は、壁掛け用ブラケットが便利だ。これは壁にネジ留めする一種のドックで、これに本体をはめ込むと、収納と充電が一度にできる優れものである。逆にこれを使わないと、いちいちACアダプタを挿して充電しないといけないので、手軽さが半減する。
ブラケットは木ねじでネジ留めするようになっているが、借家等の場合、勝手に壁や柱にねじ穴は開けられない。うちもそうだが、いい方法を思いついた。ホームセンターで木ねじが十分ねじ込めるだけの厚さの板を買ってくる。それを強力な両面テープで、柱に貼り付ける。そこにブラケットをネジ留めするのだ。
こうすれば、柱に穴を空けずにブラケットが取り付けられる。板はなるべく広い面積で貼り付けたほうが、強度が上がる。引っ越すときは板ごと両面テープを剥がせば、跡は何も残らない。
うちでは1階から階段まで、さらに車の中はダイソン担当、2階はパナソニックのキャニスター型担当と使い分けることになった。思いついたときにすぐ掃除ができるので、掃除を始めるまでの負担も減る。モーターヘッドを使うとバッテリーは16分しか保たないが、これまで途中で電池切れになったことはない。(了)
本連載では、読者の皆さんからの、ご意見、ご質問、とりあげて欲しいトピックなどを、広く募集しています。編集部、または担当編集の風穴まで、お気軽にお寄せください。(編集部)
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