中土井さんは、U理論のどこに惚れ込んだのですか?

サイボウズ・ラボの西尾 泰和さんが「エンジニアの学び方」について探求していく連載の第22回(これまでの連載一覧)。U理論の伝道師、中土井 僚さんにお話を伺うシリーズ(1)です。

本連載は、「WEB+DB PRESS Vol.80」(2014年4月24日発売)に掲載された「エンジニアの学び方──効率的に知識を得て,成果に結び付ける」の続編です。(編集部)

文:西尾 泰和
イラスト:歌工房

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この連載では「エンジニアの学び方」をテーマにインタビューを行い、いろいろな視点を探求していきたいと思っています。第3弾は「U理論」の翻訳や「 人と組織の問題を劇的に解決する U理論入門」(PHP研究所)の出版などをされている中土井 僚さんです。中土井さんとの対談は、昨年、前編後編という形で一部公開されましたが、実はカットされた部分にもいろいろと面白い話がありました。そこで今回から、カットされた部分を中心に補足説明を追加した解説をしていきたいと思います。

まずは、U理論に惚れ込み、U理論を日本に普及させるために熱心に活動している中土井さんに、いったいU理論のどこに惚れ込んだのかを伺いたいと思います。

◆     ◆     ◆

なるほど、ITの普及によって業務プロセスが改善されると、みんなの作業効率が上がって差が縮小し、差別化のポイントが変わってくる、というわけですね。

ものに例えると分かりやすいかもしれませんね。例えば一時期、デジタルカメラは画素数の競争をしていました。画素数が高ければ高いほど、顧客の満足度も高いだろう、と考えていたわけです。ところがその競争の結果、画素数に対する顧客の満足度は飽和しました。例えば「画素数? スマホのカメラで十分だよ。むしろ撮った写真をすぐTwitterに投稿できるのが重要」という人が出るようにです。この例では「画素数」という性能が顧客の満足度に寄与しにくくなり、かわりに「Twitter投稿の手軽さ」という性能が重視されるように差別化のポイントが変わったわけです(図1)。

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図1:「解像度」と「顧客満足度」の関係

人間についても同様の構図が成り立ちます。ITの普及によって定型業務の作業効率が上がり、効率に対する顧客満足度が飽和し始めれば、効率の差は差別化に繋がらなくなり、別の差別化が必要になります。その差別化のひとつとして「いかにアイデアを生み出していくか」があり、それに指針を示してくれそうなところが、中土井さんにとってU理論がグッとくるポイントなのですね。(つづく)


「これを知りたい!」や「これはどう思うか?」などのご質問、ご相談を受け付けています。筆者、または担当編集の風穴まで、お気軽にお寄せください。(編集部)


謝辞:
◎Web+DB Press編集部(技術評論社)のご厚意により、本連載のタイトルを「続・エンジニアの学び方」とさせていただきました。ありがとうございました。


変更履歴:
2015年5月11日:「って思んです。」を「って思うんです。」に、「っていう風に思っんです。」を「っていう風に思ったんです。」に、それぞれ修正しました。大変失礼いたしました。


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