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また食洗機を買う(3台目)──コデラ総研 家庭部(87)
テクニカルライター/コラムニストの小寺信良さんによる「techな人が家事、子育てをすると」というテーマの連載(ほぼ隔週木曜日)の第87回(これまでの連載一覧)。今回のお題は「また食洗機を買う(3台目)」。
文・写真:小寺 信良
2013年に、食洗機の効用について書いた(「食洗機導入による圧倒的効率化」)。記事にある食洗機を導入したのは2012年春だが、実はこの食洗機は3年ほどで壊れたので、同サイズで乾燥機能付きの「NP-TCM3」に買い換えている。
そして再びNP-TCM3が壊れたので、さらに買い換えである。およそ3年に1回買い換えている計算になるが、故障の原因は過去2台とも同じだ。給水・排水を繰り返して運転モードにならないという症状である。
説明書によれば、台所用洗剤が混入した場合、発生する泡を洗い流すための処理ということだが、これは実際あり得る話である。それというのも、すべての洗い物が食洗機で済むわけではなく、大きな鍋釜の類は別途台所用洗剤でスポンジ洗いをすることになる。そうするとどうしても周辺にある食器類に洗剤の泡が飛ぶので、それをうっかり流さずに食洗機に入れてしまうわけだ。
パナソニックからは庫内洗浄専用の洗剤が売られているので、水が溜まったところにそれを入れて半日放置すればまたしばらくは使えるようにはなるのだが、年数が経つとだんだんこの手も使えなくなってくる。泡センサーの汚れがなかなか取れなくなるようだ。
我が家では、洗い物をしている時間がもったいないので、食洗機への依存度はかなり高い。朝と昼に1回ずつ、夜は3回ほど使う。導入したのはプチ食洗といって、庫内が小さいタイプなので、どうしても食器が多いときには回数で稼くしかないのだ。
特に忙しい朝、洗えてると思ったものが洗えていないというのは、かなりのストレスとなる。修理に出すことも考えたが、依頼から修理まで数日間が完全手洗いになること、また出張修理費用などを考えると、すっぱり買い直したほうがマシという結論に毎回至るわけだ。おそらく女性目線では、こういう手間を金で解決する結論にはならないだろう。だがシングルファーザーの場合、そうも言ってられないのだ。
大型機を導入
現在据え置き型の食洗機を製造しているのは、パナソニックしかない。過去には東芝など他メーカーも作っていたことがあるようだが、現在食洗機の主戦場はビルトイン型であり、据え置き型はバリエーションが増えるだけであまりおいしくない市場のようである。
2機連続で「プチ食洗」シリーズを導入し、同じ原因で壊れたので、今度は違うシリーズを導入してみた。「NP-TP9」という、食器が40点入る大型タイプである。
設置スペースは、前機種に比べて、奥行きが4cm、横幅が8cm、高さが13cm、それぞれ大きくなる。今の置き場所だと、横幅と高さには余裕がある。奥行き4cmの出っ張りがシンクを多少狭くしたが、許容範囲だ。
同容量では、「NP-TR9」というモデルもある。ただこちらはフタが上に跳ね上がるタイプなので、食洗機の上にモノが載せられない。一方NP-TP9は前に開くタイプなので、食洗機の上に洗ったものを載せられるのがポイントだ(写真1)。
実はパナソニックの食洗機は、ARアプリを使って食洗機が設置できるかどうかをテストすることができる。詳しくはこのサイトを見ていただきたいが、食洗機のカタログを設置したい場所に置くと、シミュレーターが発動する仕掛けだ。カタログは自分で印刷したものでも構わないので、PDFでダウンロードしてそのページだけ印刷すれば良い(画面1)。
プチ食洗とそれほど変わらぬフットプリントながら、食器が2倍以上入る仕掛けは、中身が2段になっているからである。底部には大型の洗浄ローターが2枚あるほか、上段用にもうひとつローターがある。さらに右側には固定の噴水口があり、かなり複雑な水流で洗浄するようだ(写真2)。
さらに食洗カゴの設計もよく練られている。大皿が入るように上カゴの一部が取り外せるようになっていたり、包丁や菜箸など長いものを入れる場所もある。背の高いものを洗うときは、上カゴを取り外してしまえば良い(写真3、写真4)。
これだけ洗えれば、夕食にかなりの量の食器を使ってしまっても、さらには臨時でお弁当箱を入れても、まだ余裕がある。
驚くのは、静音性だ。過去NP-TCB1からNP-TCM3に買い換えたときも、かなり静かになったと感じたのだが、NP-TR9は洗浄中のノイズが半分ぐらいになったと感じる。洗浄中にテレビを見たり会話したりしても、支障ないレベルだ。
今回は同じ轍を踏まないよう、5年保証を付けてある。また3年で残念な結果とならないよう、期待したいところだ。(了)
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