PTA広報紙を電子化したった(4)──コデラ総研 家庭部(100)

テクニカルライター/コラムニストの小寺信良さんによる「techな人が家事、子育てをすると」というテーマの連載(ほぼ隔週木曜日)の第100回(これまでの連載一覧)。今回のお題は「PTA広報紙を電子化したった(4)」。

文:小寺 信良
写真:風穴 江(tech@サイボウズ式)

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広報紙を電子化するという話がスタートして、実際にLINE@にターゲットを絞るまで、PTA本部の根回し等を含めると2カ月ほどかかったことになる。その間、教頭先生も教育委員会にお伺いを立てていただき、とにかく前例がないことなので判断できないが、個人情報保護をこれまでの広報紙同様きちんとやってくれればいいんじゃないか、ということであった。

そもそもPTA活動は教育委員会にお伺いを立てなければならないものでもなく、むしろ教育委員会のほうがPTA活動を含めた地域住民との関係改善に努力しなければならないことになっている。

中央教育審議会、教育委員会の在り方 7 保護者・地域住民と教育委員会・学校との関係の改善

ただ本校の教頭先生は赴任する前に教育委員会の委員だったので、後々禍根を残さないようにと配慮していただいたようだ。むしろ教頭先生は「前例がないことイケイケ派」なので、こうした協力はありがたい。

この方法が上手くいくか、問題があるとすれば何かは実際に運用してみないと分からないため、とりあえず10月から12月までの3カ月間運用してみて、来年1月に保護者へのアンケート調査を行ない、この方法の続行を決定するということになった。

LINEアカウントをどうするか

LINE@を利用する前に、LINE@のアカウント構造を理解する必要がある。LINE@はビジネス向けツールということで、利用法を解説したサイトも数多くあるが、どれも的外れで本質を捉えていない。学校専用のアカウントを作る前に、まず個人のアカウントでLINE@を開設して調査を行なった。そこで分かったアカウントの関係が、以下である。

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LINE@管理の仕組み

まずLINE@を開設するためには、LINEのアカウントが必要となる。このアカウントの持ち主(管理者)が、実際の運用担当者を任命することができる。つまり会社組織内で複数人がLINE@を運用できるよう、管理者と運用担当者を別に分けることができるようになっている。

またLINE@を開設した管理としての権限は、他の運用担当者に委譲することができないようだ。つまりLINE@とLINEのアカウントは、一蓮托生ということになる。

従って、会長や校長先生のLINEアカウントでLINE@を開設するわけにはいかない。会長や校長先生が変わったときに、管理権限を学校に残せないからだ。

そうなると、PTAが今後も長く管理できるLINEのアカウント、ひいてはスマートフォンの契約が必要になるわけだ。以前はプリペイド携帯やプリペイドSIMという選択肢があったが、これらは振り込め詐欺の連絡用に使われるといったことから、次第に市場から消えつつある。

ということは、スマートフォンをPTAで法人契約するしかない。だがご存じのようにPTAは単なる任意団体なので、法人格がない。スマートフォン本体はSIMロックフリーの格安モデルで十分だとして、任意団体でも法人契約ができるMVNO事業者を探すことになる。

まずはMVNO最大手の楽天モバイルに問い合わせたところ、法人格のないPTAとの契約はできないとの返答であった。先が思いやられると思いつつ検索で見つかった順に調べていったところ、BIGLOBEは法人格のない学校PTAや協会、組合などでも法人契約ができるコースがあった。実際に電話で問い合わせたところ、特定の審査はあるが、契約可能だという。見積もりももらって、とりあえずPTA回線の問題はクリアした。

ただこの契約も、少なくとも数年はPTA広報紙をこの方法でやるということが確定してからの話である。従って当面は、筆者が個人的に所有しているMVNO SIMの番号で学校PTA公式アカウントを取得し、LINE@アカウントを運用してみることになった。

公式にスタートすることになったら、新規で契約するSIMに対して、「電話番号も含めて機種変した」という手続きで学校PTAアカウントを移せばいい。(つづく)


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