【第8回】自分が今いる位置がわかるしくみ──宇宙からの声をきくこびと
サイボウズのプログラマーの"プロさん"に、コンピューターやプログラミングについて聞くシリーズ「プログラミングって?」。今回はGPSのしくみについて説明してみるよ。
スマートフォンなどで地図を検索すると、自分の今いる位置が分かってとっても便利だよね。いったいどうやって位置を特定しているのだろう。スマホの中にいるこびとの働きに注目してみよう。
※この連載は、毎日新聞社発行の月刊誌「NEWSがわかる」で連載している記事の転載です。
遠い宇宙からの電波
全地球測位システム(GPS)という言葉を聞いたことはあるかな。地球の周りを飛ぶ人工衛星から発信された電波を地上で受け取って、位置を特定するしくみのことだよ。GPS衛星は現在、三十数基あって、そのうち4基の衛星からの電波を使っているんだ。
イラストの男の子はAからの電波が早くきて、Bからの電波が遅くくる。一方、女の子にはBからの電波が早くきて、Aからは遅くくる。スマホの中のこびとはその時間のズレで測量し、宇宙から見て自分がどこにいるのかを判断するんだよ。
電波を受けるだけのこびと
これまででてきたインターネットでつなぐこびと(自分から発信しているこびと)と、今回のスマホの中のこびとはまったく違うよ。今回のこびとは、GPS衛星からの電波を見て位置を判断する「受ける専門」のこびとで、発信はしないんだ。
時々、GPSがうまく位置を測定できないことがあるよね。ビルなどが邪魔をして精度が落ちてしまうからなんだ。精度を高めるために日本は最近、日本専用の人工衛星装置「みちびき」を今あるGPS衛星よりもさらに遠いところに打ち上げたんだよ。
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