複業を禁止されていたら、会社を辞めていたと思う──サイボウズの若手社員たちが複業する理由

「ふくぎょう」という言葉を耳にしたとき、みなさんの頭に思い浮かぶのはどんな漢字でしょうか?「副業」と「複業」。似ているようで大きく異なるこの2つのうち、後者の「複業」が今回のテーマです。
本業のかたわら、サブ的に別の仕事をする「副業」と違って、「複業」とは「本業としての仕事を複数持つ」こと。
そんな風に仕事をしながら自己実現をしているサイボウズの若手社員4名に、それぞれ「複業」のリアルを語ってもらいました。
「頼まれてはじめた」のか、「自発的に行動を起こしてはじめた」のか?




その様子を見ていた上司が、「俺がプロデュースするから、YouTuberにならない?」って(笑)。

DAISUKE(本名非公開)。2015年新卒入社。ソリューション営業部で公共事業案件を主に担当。全国をかけまわる営業マン。複業ではスポーツ系YouTuberとして動画配信をしたり、コーチングを行っている。具体的な種目やチャンネル名は公言したくないらしい


熱田さんとは多分、真逆ですよね。

そもそもそれ自体が稀(まれ)だとは思うんですが……(笑)。

熱田 優香(あつた・ゆか)。2016年新卒入社。パートナー営業(代理店営業)で営業を1年間経験したのち、ビジネスマーケティング本部へ異動。現在はワークスタイルプロモーションを担当している。「誰もが自分らしく自由に生きられる世の中をつくる」というビジョンのもと、チーム育児を支援するWebメディアで編集やライティングを行っている。




彼の中には、「男性は女性よりも稼がないといけない」というプレッシャーがあったみたいで。私は全然気にしないのに、もどかしく思いました。
そのときに、世の中には男女関わらず「こうあるべき」という呪いに苦しんでいる人たちがいることに気づいたんです。


でも、企業の働き方以外にも、社会課題はたくさんあります。自分が理想とする社会を実現するためには1社で働くだけでは足りないことに気づき、複業では育児課題に取り組むWebメディアで、編集やライティングをしています。
「あいつは複業をしている」というイメージが、本格的な複業のきっかけになった


そこでゴールデンウィークにちょうど地元に帰るので、リゾートバイトでもしてみようかなと思ったのが最初でした。

深澤 修一郎(ふかさわ・しゅういちろう)。2012年新卒入社。パートナー営業(代理店営業)部で、現在サイボウズで一番大きな代理店を担当。その傍ら、複業でサイボウズとお付き合いのあるパートナー企業にも勤務し、週1回常駐している


それからは、運動不足を解消するためにUberEATS(ウーバーイーツ)で配達員をやったり……。


今はそのパートナー企業さんにも常駐するという形で複業をしています。
話をいただいたときに直感的に「チャレンジしたい!」と思って、チームメンバーにも相談したり、自分自身のキャリアについて考えた上でやってみると判断をしました。

安藤さんは、ご自身でお店を経営されていますよね。

もともとスリランカで出逢ったカレーの美味しさに感動して、学生時代からライフワーク的に間借りでカレー屋さん開いていたんだけど、縁があってちゃんとしたお店をオープンすることになりました。
もはや、自分のお店の方がサイボウズの仕事よりも優先度が高くなってきていますね。

安藤 耕史(あんどう・こうじ)。2014年新卒入社。ソリューション営業部を経たのち、ビジネスマーケティング本部へ異動。現在は自社製品(kintone)の販売戦略に関わる傍ら、奥さんと一緒に高円寺でカレーとビールのお店を営んでいる

複業は「単なるオフの日」と似た感覚。複業することで息抜きになっている


精神的にも、複業をはじめてからのほうがラクになりました。複業することで息抜きになっているというか。


たとえば、休みの日に遠くまで自転車で行って、ビール飲んで、みたいなことを僕はけっこうやっちゃうんですが。体力的には疲れていても、しっかりリフレッシュになっています。

会社員としての自分と、YouTuberとしての自分は別なので、仕事のオフがYouTube、YouTubeのオフが仕事、みたいな感じになっています。

休日の時間を上手く使わないと、インプットの時間がなくなっちゃうんじゃないかって……。


複業しているとはいえ、プライベートの時間も大事ですしね。

複業をしようと思ったときに禁止されていたら、会社を辞めていた


複業先が本業でもおつきあいのある企業だから、サイボウズで働いていることとの相乗効果もあるんじゃないでしょうか。



もしそうじゃなかったら、その会社にはそもそも入社しないかも。

実は店をはじめるときは会社を辞めるつもりだったんですが、サイボウズは仕事にコミットする量を柔軟に決められるので。それなら、どっちも本業としてやればいいやって思ったんですよね。

入社したときには複業のことはなんにも考えてなかったので……。会社の風土は大きいなって思いますね。
結局は、自分のやりたいことが実現できているかどうか


結局僕たちは、自分のやりたいことを実現するための一つの選択肢として「複業」を選んでいるだけなんだと思います。


会社員としての自分とは別に、やりたいことを実現するための方法ですよね。

これからは、こっちの複業をする人口が増えそうですね。
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編集

あかしゆか
1992年生まれ、京都出身、東京在住。 大学時代に本屋で働いた経験から、文章に関わる仕事がしたいと編集者を目指すように。2015年サイボウズへ新卒で入社。製品プロモーション、サイボウズ式編集部での経験を経て、2020年フリーランスへ。現在は、ウェブや紙など媒体を問わず、編集者・ライターとして活動をしている。