PTA広報紙を電子化したった(8)──コデラ総研 家庭部(104)

テクニカルライター/コラムニストの小寺信良さんによる「techな人が家事、子育てをすると」というテーマの連載(ほぼ隔週木曜日)の第104回(これまでの連載一覧)。今回のお題は「PTA広報紙を電子化したった(8)」。

文:小寺 信良
カバー写真:風穴 江(tech@サイボウズ式)

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長らく続いたこのネタも、今回で最終回である。ほぼリアルタイムの出来事を綴ってきたのでかなり冗長になってしまったが、生々しい進捗をご報告できたのかなと思っている。

記事が公開されて以降、ネットでも多くのご感想を拝見することができた。中にはマンションの管理組合でもこの方法は活かせるのではないかというご意見もあり、この方法論の可能性を感じているところである。

広がりということでは、先日近隣の小学校と中学校のPTA会長に、LINE広報紙のこれまでの経緯をご説明する機会を得た。もちろん、導入したいという前提でのお話なのだが、本当にPTA広報紙というのはそれぞれの学校ごとに複雑な事情を抱えていることが分かった。

ある小学校の広報紙は、コミュニティ誌として近隣の方からも非常に期待が大きく、中にはお店の広告を入れてほしいというリクエストもあるそうだ。保護者だけでなく地域まで巻き込んでいるとなると、今の状況を変えるのは、そう簡単にはいかないだろう。

またある中学校では、出版デザインをやっている保護者が中心となって発行しており、誌面のクオリティが高いのだという。丁度来年は広報紙100号を迎えるということで、そこまではご自分で手がけたいという熱意もあり、そういう気持ちも大事にしたいところだ。

その一方で、電子化すれば圧倒的に予算削減になる点は、どの会長さんも「大きな理由になる」という。どこもPTA予算はひっ迫しており、削れるところがあったら削りたい。ただPTAはその性質上、役員始め会員がその学校に通う子供の保護者に限られる。PTA会長も長くて3年程度しかやらない。従って誰も中長期的な戦略を取ることができない宿命にある。ある小学校の会長さんは、もう来年度は辞めたいとしきりにおっしゃっていた。ボランティアの長は、責務は重く、実りは少ないということなのだろう。

実際に広報紙をLINE化してみたら、作り手側にも受け手側にもメリットが大きいことが分かった。長い目で見れば、金食い虫であるPTA広報紙は、電子化でも何でもやってコスト削減しなければ、いずれ廃止せざるを得なくなる運命にある。

予算削減のために電子化するというのは、実に消極的な理由ではある。だがそうした理由でないと、コンセンサスを得られないのも事実だ。そこに違和感を感じる方も多いと思うが、ネット特有の「面白そうだからやってみたい」という思いだけでは、話が通らない世界なのである。

LINE@エントリーの印刷方法

最後に余談ではあるが、LINE@の記事をプリンタで印刷する方法について、まとめておく。方法をネットで検索してみたが、そもそもそういうニーズがないのか、LINEにアップされた写真をプリントするというエントリーはあるものの、記事全体を文章も含めてプリントする方法は見つけられなかった。

LINE広報紙を実践する方は、プリントアウトで対応するという場面に直面した際にきっと行き詰まると思うので、ここでその方法をご紹介しておきたい。

まずプリントアウトする前提として、誰でもできることを前提とすれば、なるべくスマートフォンで完結したいところだ。そこで必要になるのは、スマホからダイレクト印刷に対応するプリンタである。最近はスマホの写真印刷ニーズが高いこともあり、Wi-Fi対応のプリンタであれば大抵はできるはずである。今回はエプソンのプリンタを使用しているが、専用の「エプソンプリント」というアプリをインストールしておく。

次にLINEアプリで該当の記事を開き、記事の下にある「共有」アイコンをタップする。すると「トークに送信」などの機能が出てくるが、この中で「リンクをコピー」を選択する(画面1)。

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画面1:共有アイコンをクリック

コピーされたリンクを、ブラウザにペーストし、ページを開く。「LINE TIMELINE」というページが開くはずだ。このページで自分のLINEアカウントでログインすると、記事の内容がそのまま表示される。

この状態で、ブラウザの「共有」アイコンをタップして、「エプソンプリント」を選択する。するとこのページが、「エプソンプリント」でもう一度開かれる。LINEのログインを求められた場合は、もう一度ログインだ(画面2)。

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画面2:ブラウザの共有画面から「エプソンプリント」を選択

ここでプリンタのアイコンをタップすれば、印刷プレビュー画面が表示され、プリントが可能になる(画面3)。

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画面3:さらに「エプソンプリント」でサイトを開き、印刷を実行

要するにLINEの画面をWebブラウザで表示させることができれば、あとはWebブラウザの印刷機能を使うことができる。この方法はAndroidでもPCでも有効だ。ただPCのブラウザの場合、オプションで「背景の印刷」にチェックを入れないと、写真が印刷されない。

記事の保存を考えれば、この方法を流用してPDFにしておくというのもひとつの手だろう。ただしこの手法は、各ブラウザの印刷機能に大きく依存するため、ページの変わり目で文字が切れるアプリもある。このときは、ブラウザの種類を変えるなどして、うまくいくものを探すしかない。

ちなみにMacでは、Chromeの印刷機能を利用したPDF書き出しはうまくいかなかった。Safariだとうまくいくようである。

長々と語ってきたが、これにてPTA広報紙の電子化の話は終了とさせていただく。読者諸氏の何かの参考になれば幸いだ。(了)


本連載では、読者の皆さんからの、ご意見、ご質問、取り上げてほしいトピックなどを、広く募集しています。編集部、または担当編集の風穴まで、お気軽にお寄せください。(編集部)


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