みんな、どんな複業をしているの?(20〜30代)
「会ってみたい」と思われる自分でいることが、会社以外の居場所を見つける第一歩──りょかち×峰松加奈

会社以外でやりたいことがある。もっと同じ価値観を持つ人とつながりたい──。
副業やコミュニティなどの取り組みが注目されるようになり、会社以外の「居場所」を求める若いビジネスパーソンが増えてきました。会社や仕事など、ひとつの価値観に依存するのではなく、居場所を増やすことは個人の自立にもつながるのではないでしょうか。
4月24日、女性のためのレッスンクラブ「SHE likes」さんとコラボしてサイボウズ式 Meetup#7が開催されました。テーマは「会社以外の居場所の見つけかた」。
IT企業で会社員として働きながら"自撮り女子"として、執筆やコミュニティ運営をするりょかちさん、社内外を問わずブランドづくりのプロジェクトで活躍する峰松加奈さんをゲストにお招きしました。進行は、サイボウズ式編集部の明石です。
自分にとっての居場所って何?


どこを自分の「居場所」だと感じるか? に対するおふたりの回答。

それぞれで自分の持っている顔は違うんですけど、どれも自分の拠り所になる場所です。

(写真左)りょかち。1992年生まれ。自撮りをなんとなくSNSにアップしたら、身内で「誰だ?!」と盛り上がる。以降、自撮りアプリの使い方や自撮り女子あるあるをシェアしているうちに取材を受ける立場に。新卒で某IT企業に入社し、アプリやWEBサービスの企画開発に従事。現在は、若者やインターネット文化について幅広く執筆するほか、若年層に向けた企業のマーケティング支援も行う。著書に『インカメ越しのネット世界』(幻冬舎刊)。そのほか朝日新聞、幻冬舎、宣伝会議(アドタイ)などで連載。

それらを始めた理由って何だったんですか?

執筆業などの副業に加え、今私が力を入れて活動しているコミュニティは「英語チャレンジサロン」と「willするサロン」の2つです。


「willするサロン」は、未来のために何か投資したいという気持ちを、SNSを使ってもっとカジュアルに実現できないかな、と。
どちらのコミュニティも、自分がやりたいことを一人でやるよりも誰かと一緒にやった方が絶対に楽しい、と思って始めたことですね。


今は会社で「職業人」としての欲求が満たされているので、副業やコミュニティなどはやっていないです。
ただ、以前は副業をしていた時期もありました。会社に限らず自分の居場所は複数あった方がリスクヘッジできますよね。

(写真右)峰松加奈(みねまつ・かな)。1990年生まれ。早稲田大学を卒業後、2013年に新卒でユニリーバに入社、2015年夏に大阪にある木村石鹸工業株式会社に転職。いろいろなメーカーとの出会いがきっかけで、結果的には副業として会社外のブランド制作にも関わるように。社内ではマーケティング室を立ち上げ、自社ブランドの商品企画から広報、営業まで業務を幅広く行った。現在は株式会社newn studioを起業し、スキンケア化粧品ブランド「kinema」や小柄な女性向けファッションブランド「cohina」などの企画・販売に携わる。
会社に求めるものと、社外に求めるものの違いは?


りょかちさんの、「会社」と「それ以外の居場所」に求めるもの。

一方、副業やコミュニティなどの会社以外の居場所では、「自分が何をやりたいか」を重視しています。新しいことに挑戦できたり、誰か一人を幸せにできるような小さな成果が出せたり。
どちらが好きとかではなく、両方あるから私は機嫌良く過ごせるんだと思う。


あと、副業やコミュニティの良さは、「会社以外の正義を持てる」ことですね。


それは個人の正義とは違うものでいいはずなのに、いつの間にか会社=自分になりやすい。
私は副業があったからこそ、自分の正義を信じていられたのかもしれない。居場所がいくつかあることで、自信にもなっているんです。

続いて峰松さんのスライドは……すごくシンプル!

峰松さんの、「会社」と「それ以外の居場所」に求めるもの。

そこに何か不満や疑問、モヤモヤがあった時、それを解消するために会社以外の場所で新しいチャレンジをしてみる、という感じです。


ただ、会社以外のコミュニティがほしいというよりは、会社とは違う場所に行くことで「誰か」という新しい「個」に出会いたいという思いが強いですね。

人脈を広げるためには「会いたい人」でいられるかどうかが大切

居場所は人脈から見つかることも多いので、人脈を広げることも大切だなあ、と思っていて。
おふたりはどうやって人脈を広げていますか?

そもそも、自分が何をやってるかをはっきり言えないと、相手も興味を持ちようがないと思うんです。


みなさんとはもともとお知り合いだったんですか?





特に理由もなく「会いたいです!」と言われても困らない? この人に会ってみたいっていう何かがないと。


会いたい理由がはっきりしていると会いやすい。人脈をただのセーフティネットにするんじゃなくて、理由のある出会いを広げていくことが大切ですよね。


仲良くなれそうだからとか、つながりを作ることで何かが生まれそうだからとか。


心地よい居場所の見つけ方は? 居場所づくりって疲れない?




人っていろいろなハッシュタグを持っていると思うんです。「#英語」「#ものづくり」「#映画」とか。
自分が検索されたときにたくさん検索結果が出るようにしたいし、会いたい人が持っているハッシュタグに対して自分ができることをたくさん用意していたい。
人に会うときは緊張してしまうので、たくさん話題を準備していきますね。



なので、最初は数をこなすことも必要だと思います。

「居場所を増やす」ことは決して目的にならないけれど、いつでも居場所を増やしていけるような自分でいることが大切なのかもしれません。
今日のイベントはもちろん、最近とても刺さる「発信の大切さ」。小さな一歩になるか分からないけど、レポートもどきをアップ。「自分はどんな人か説明できること」「個人の仕事でやりたいことを試す」この2つを今後の日々に落とし込みたい。 #シーライクス #サイボウズ式Meetup pic.twitter.com/DVwDmRAnCl
— のえる (@noel3625) 2018年4月24日
仲良くなりたい相手が、コミュニティに呼びたい人はどんな人だろうと考えて・発信する。居場所作りじゃなくて自分作りが、結果として居場所を作っていくことになる。
— もえみん (@moemi_o) 2018年4月24日
と、一晩寝て思いました。#シーライクス #サイボウズ式meetup
文:橋本結花 編集:松尾奈々絵(ノオト) 撮影:二條七海
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執筆

橋本 結花
大阪生まれ。歌をうたうために上京、作詞作曲の傍ら2016年にライターのお仕事を開始。毎日の生活での気付きをもとに、働き方やライフスタイルなどアラサー女性のための日々を贅沢にするメディア「sunset note」を作っています。
撮影・イラスト

二條 七海
写真家→ホームレス→LIG.inc→フリーランスフォトグラファー。 現在は著名人や芸能人の人物撮影を中心に行っている。 多様な作風が持ち味。好きな食べ物はハンバーグ。
編集

あかしゆか
1992年生まれ、京都出身、東京在住。 大学時代に本屋で働いた経験から、文章に関わる仕事がしたいと編集者を目指すように。2015年サイボウズへ新卒で入社。製品プロモーション、サイボウズ式編集部での経験を経て、2020年フリーランスへ。現在は、ウェブや紙など媒体を問わず、編集者・ライターとして活動をしている。