「目的を言うと、理想はダメになる」──プログラミング教育で大切なこと(阿部和広氏に聞く:後編)

「子ども×IT」をテーマにした、ITジャーナリストの星 暁雄さんによるインタビューシリーズ。第1弾、阿部 和広氏(青山学院大学非常勤講師、津田塾大学非常勤講師)の後編です。前編はこちら

写真:阿部先生のインタビューの様子

優しく穏やかな語り口の阿部先生だが、取り組まれている教育の話になると、話しぶりにも熱がこもる。

「できることを、できるようにやる」

大学生にScratchを教える

写真:授業で使用しているハードウェアボードを手に、教育について熱く語る阿部先生

「Scratch、センサーボード、モーターの使い方を教えて、最終的にはLEGOのブロックやモーターなどを組み合わせて自主制作をしてもらいます」。

LEGOブロックは、ちょっとしたプロトタイピングには非常に向いている。ただし、モーターで動く「何か」を作ろうとすると、シャフトや歯車、プーリーのような機構の部品が必要になる。こうした部品を含むLEGOのキットは値段が高い。これらのLEGOパーツを安価に入手する方法として阿部氏がたどり着いたのが、書籍扱いで購入できる「Lego Crazy Action Contraptions」(Doug Stillinger、Klutz)だった。これなら、歯車やシャフトなど重要なLEGOパーツが1500~2000円程度で入手できる。

また、LEGOには純正Scratch用キットもあるが、これらを含む「WeDoスクラッチパック」キットは2万5200円で、学生買い取りとして使うには高価だった。一方、「なのぼ~ど」はサークル「ちっちゃいものくらぶ」が送料含め2000円(完成品の場合)と安価に頒布している小型のScratchセンサーボードである。Arduino互換ボードにスライダー、音センサ、光センサなどが付属する。

写真:Scratchから制御できるリモコンカー、「なのカ~」(ちっちゃいものくらぶ)

Scratchで利用できるセンサーボード「なのぼーどAG」に、Bluetooth無線と超音波距離センサーを組み合わせて制作したリモコンカー(ちっちゃいものくらぶ)。

「子どもたちのコミュニティ」はScratchの大きな成果

Scratch 1.4は、Squeak Smalltalk処理系を内蔵しており「隠しコマンド」でSmalltalk処理系に「降りる」ことができる。画面左上にある「Scratch」ロゴの中の「R」をShihtキーを押しながらクリックするとメニューが表示されて、Smalltalk開発者モードに切り替えることができる。

画面:JavaScriptでScratchを再実装した「SNAP!」

JavaScriptでScratchを再実装した「SNAP!」。インストール不要で、Webブラウザだけで簡単に利用できる。

「目的を言うと、理想はダメになる」

(了)

写真撮影:橋本 直己


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