tech
「冷蔵庫干し」で庫内すっきり──コデラ総研 家庭部(32)
テクニカルライター/コラムニストの小寺信良さんによる「techな人が家事、子育てをすると」というテーマの連載(隔週木曜日)の第32回(これまでの連載一覧)。今回のお題は「『冷蔵庫干し』で庫内すっきり」。
文:小寺 信良
写真:風穴 江(「tech@サイボウズ式」編集部)
大晦日からお正月にかけて、家族で実家に帰省するという人は案外多いのではないだろうか。5日から1週間程度家を空けることになるわけだから、その間は食材が不要になる。うちでは帰省する1週間ぐらい前から計画的に食品を消化し、なるべく冷蔵庫を空っぽにしてから家を出るようにしている。
出かける前は何かとバタバタするので、帰ってきて買い出しに行く前に、冷蔵庫の中を全部さらって綺麗にすると、気分良く新年が迎えられる。これを称して我が家では、「冷蔵庫干し」と呼んでいる。
冷蔵庫の中というのは、冷えてるから大して汚れないだろうと思われるかもしれないが、実は奥のほうでカビが生えているのに気がつかなかったりするものだ。とくに引き出し部の奥やレール部は普段なかなか見えないので、そういうところがビックリするレベルでカビてたりする。
調味料や保存食など、一部残っている食材もあろうかと思うが、賞味期限が怪しいものはこのさい思い切って捨ててしまおう。まだ使えるものは、掃除中キャンプ用のクーラーボックスなどに待避させておく。冷蔵庫というのは、ほとんど外枠だけになるレベルで中のものが取り外せるようになっている。外し方が難しいものは、取扱説明書に外し方が書いてあるはずだ。食品を全部取り出したら、バケットや棚などは全部外してしまおう。
取り外したバケットや棚は、中性洗剤を使って水洗いできる。スポンジは固いものだと表面が傷ついてしまう。表面に傷が入ると、その傷にカビが入り込んだりするので、後々やっかいだ。スポンジの柔らかい面を使って洗っていただきたい。
中身を乾かしているうちに、庫内の清掃である。これは除菌タイプのウエットティッシュを使って拭き掃除するのが一番簡単だ。棚のレールや奥まった部分、製氷機の奥など、普段滅多に見ない部分も忘れずに掃除しておこう。結構ビビるぐらい汚れているのではないかと思う。
野菜室は、結構カビの温床になりやすい。他の部分と違ってそれほど温度が低くないことに加え、生の野菜はどうしても切れっ端がちぎれて庫内に落ちたりするので、そういうものが奥のほうでカビてたりする。ここだけは、4半期に1回ぐらいは綺麗にしたいものだ。
外側も大事
中身がすっかり綺麗になったところで、今度は外側である。シンクの近くに置かれている冷蔵庫は、案外洗い物や調理中の飛沫が飛んで、汚れているものだ。こういった汚れはすでに乾燥してこびりついているので、中性洗剤を溶かしたお湯にぞうきんを浸し、固く絞ってから拭いてやると簡単に綺麗になる。
注意していただきたいのは、扉側に付いているパッキン部分だ。横開きの扉はそうでもないが、引き出し型の扉の上のほうのパッキンは、結構汚れが溜まりやすい。パッキンに汚れが挟まると、それだけ密閉度が落ちるので、冷却効率も悪くなり、保存期間が短くなる。
この部分は、除菌タイプのウエットティッシュでパッキンの溝を綺麗に拭いてやるといい。細くて指が入らない場合は、割り箸の先にウエットティッシュを巻き付けて、それで掃除するといいだろう。この部分は、洗剤は使わないほうがいい。何しろ溝の中なので、洗剤が入り込むとなかなか綺麗に拭き取れないし、洗剤の成分がパッキンを劣化させてしまう可能性もあるからだ。
そして忘れてならないのは、冷蔵庫の下である。この部分は大抵目隠しの板で塞がれていると思うが、引っぱれば外れるようになっている。そこに拡がっているのは、魔窟だ。思わず「おうふ!」と声が出てしまうだろう。
子供がいれば、恐らく丸いビーズ的なものとかお菓子の包み紙とかがもれなくその隙間に詰まっている。ネコがいればカリカリのエサとか銀紙を丸めたのとか、オモチャにしたものが「シュート」されている。
頑張れる人はいったん冷蔵庫を引っ張り出して掃除するといいのだが、なかなかそこまではやれないだろう。こういうホコリだらけのところがゴキブリの隠れ家になっていたりするので、掃除機で吸い出したのち、さらに割り箸などで奥に詰まったホコリをかきだしておこう。
冬休みはもう終わってしまったが、春休みや夏休みなど何か長期でお出かけの際には、「冷蔵庫干し」をぜひ実践してやいただきたい。(了)
本連載では、読者の皆さんからの、ご意見、ご質問、とりあげて欲しいトピックなどを、広く募集しています。編集部、または担当編集の風穴まで、お気軽にお寄せください。(編集部)
SNSシェア