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自動散水機で楽々園芸。なぜ早く買わなかったか後悔するレベル──コデラ総研 家庭部(72)
テクニカルライター/コラムニストの小寺信良さんによる「techな人が家事、子育てをすると」というテーマの連載(ほぼ隔週木曜日)の第72回(これまでの連載一覧)。今回のお題は「自動散水機で楽々園芸。なぜ早く買わなかったか後悔するレベル」。
文・写真:小寺 信良
生活の中の潤いとして、ペットを飼ったり植物を育てたりというのは、多くの家庭で行なわれていることだろう。とはいえ、毎日世話をする者がいれば、の話である。子供は基本的にウィークデーは毎日同じ生活を繰り返すので、子供に任せるというのもひとつの手だが、連休や夏休みなどに家族で出かけるときが困る。
うちも玄関脇にそこそこの量の植木鉢があり、花などが植わっている。朝晩水をやるのも気晴らしのひとつとして苦にならないが、夏休みや冬休みに1週間ほど実家に帰省するときがいつも困っていた。500mlのペットボトルのキャップに穴を空け、水をいれて逆さまに挿しておくことで凌ごうとしたが、1週間ともなると、それでは持たなかった。それ以上大きいヤツだと安定性が悪く、植木の上に倒れてしまって、植木をダメにしてしまう。
それならばと、ペットボトルに差し込んで毛管現象で水を吸い上げる紐、「水やり楽だぞぅ」なる製品も試してみた。4本入って700円程度で買えるので、なかなかリーズナブルだ。方法としては原始的だが、確かに1週間ぐらいの旅行には十分である。バケツにでも突っ込んで外に出しておけば、途中雨も降るだろうから補充もできる。
これはいいと思ってそのまま日常的に使っていたら、紐がボロボロになってちぎれてしまった。ワンポイントリリーフには向いているが、日常的に使うのには難がある。また思いのほかガンガンに水を吸い上げるので、夏場以外は鉢がビショビショになるのも困る。
何か恒久的に使える旨い手はないかと考えていたのだが、水道に繋ぐタイプの自動散水機が便利だという話を聞き、購入してみた。
手間なしで1年中使える
最初に購入したのは、タイマーによる散水機と分岐栓やチューブ、スプリンクラーなどがセットになった「タカギ(takagi)水分センサー付かんたん水やりタイマーセット G216」という商品だった。ネットでは1万円ちょっとで買えるが、すでにメーカーのサイトには載っていないので、流通在庫限りで終わりなのかもしれない。
複数の分岐栓とスプリンクラーが8つ付いてるので、当時の鉢植えの数からすれば十分であった。これは水道の蛇口に取り付けておき、指定された時間に指定された分数だけ開栓して散水するタイマーだ。1日に任意の時間を数回指定できるので、朝と夕方の2回水を撒くことができる。
導入したのは夏休みの1週間前で、テストも上々、1週間の休みもまったく問題なく動いてくれた。それ以降2年ほど便利に使っていたのだが、ある夏の日に動作しなくなって、危うく鉢植えを枯らすところであった。どうもあまりの暑さに中の回路がやられたらしい。屋外で使用するものではあるが、内部に電池も備えていることだし、あまり日当たりのいい場所に置くものではないようだ。
仕方がないので、これの後継機種と思われる「GTA111」というモデルに買い換えた。分岐栓やスプリンクラーなどはそのまま使える。こちらは1日に散水できるのが最高2回までと、G216に比べると機能的には低いが、元々1日2回しか散水していなかったので、これで十分である。夏場は朝8時に1分間、13時に1分間放水。秋冬は8時に1分、16時に1分放水という感じだ。
各スプリンクラーは、先端のネジを回すことで水量が調整できる。鉢の大きさや植物の特性に応じて、散水量が個別に調整できる。
難点があるとすれば、専用の細いホースが黒だということである。放水が止まっている間もこの中に水が溜まっているのだが、太陽熱で熱湯になってしまう。従って放水の最初は、熱湯が噴き出すことになる。植物に直接かかるのは良くないと思われるので、なるべく地面にかかるよう、スプリンクラーの位置を調整する必要がある。
それ以外はまったく不満なく、1年中手間なしで植物を育て続けてくれている。うちはあいにく土がむき出しの庭がないため、直接地面に花が植えられないのだが、それでも植木鉢の中で年中勝手に花が咲いているというのは、気持ちが和むものだ。植物を植えても長続きしないという人は、こういう製品も試してみてはいかがだろうか。(了)
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