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どこでも水掃除、ジェット水圧ブラシがステキ──コデラ総研 家庭部(88)
テクニカルライター/コラムニストの小寺信良さんによる「techな人が家事、子育てをすると」というテーマの連載(ほぼ隔週木曜日)の第88回(これまでの連載一覧)。今回のお題は「どこでも水掃除、ジェット水圧ブラシがステキ」。
文・写真:小寺 信良
ゴールデンウィークも終わって気候が良くなってくると、窓を開ける機会も増える。吹き込む風の暖かさに、夏の香りを感じる季節となってきた。
そんなときに気になるのが、サッシのレールの汚れである。せっかく気持ちよく窓を開けようとしても、風雨による泥汚れが溜まっていては、爽やかさも半減だ。さっと掃除したいところだが、ちゃんとやろうと思えば意外に面倒である。
ホースが届くところならまだいい。ホースの届かない2階には、バケツから洗剤から雑巾から、何から何まで持って階段を上らなければならず、ついついおっくうになってしまう。
そこで便利に使っているのが、「コジット ジェット水圧ブラシ」である。現在は後継モデルの「コジット 汚れスッキリ ジェット水圧ブラシ」というのが出ていて、900円前後で買えるようだ(写真1)。
これはペットボトルに取り付ける、ブラシ付きのポンプである。本体に付属のチューブを差し込み、水を入れたペットボトルに取り付ける。グリップ後ろのピストンを「しゅこしゅこ」して圧をかけ、グリップを握ると水が出るという仕組みだ。
Amazonの評価はなぜか異様に低いのだが、おそらくパッキンがズレていて、圧がかかっていないのではないかと想像する。ちゃんと装着すればきちんと使える製品だ。
利用の前に知っておきたいちょっとしたコツ
さて、ペットボトルで簡単に使えるとはいっても、説明書に書かれていないコツが若干ある。説明書には500mL以上のペットボトルを使うようにとしか書かれていないが、実はペットボトルは大きく分けると、2種類ある。
1つは通常圧力で使うもの、もう1つは圧力に耐えられるものだ。圧力に耐えられるものは炭酸飲料に使われており、円筒形のロケット型をしている。一方常圧で使うものは、角形を始め、真ん中がくびれたダルマ型など、いろいろな形がある。
こういうことは、ペットボトルロケットを作って遊んだことがある方はよくご存じなのだが、圧をかけるのであれば炭酸飲料用のものを使わないと、変形したり破れたりするので、注意が必要である。当然この水圧ブラシも、炭酸飲料用のものを使うべきだ。筆者はいつも、1.5Lのものを使っている(写真2)。
本品を取り付け、ピストンを使って圧をかけるわけだが、男性の力ではかなりのところまで圧をかけることができる。安全弁もついているので、一定のところまできたら自動的に減圧する。一度、どこまでかけたら減圧するのか、テストしてみるといいだろう。
水を入れる量だが、満タンに入れてしまうと圧力を受ける空気がほとんど入らないことになってしまうので、水圧が出ない。水はおよそ2/3ぐらい入れた状態で使うと丁度いいだろう。
利用中の写真を見ると、まるでケルヒャーの高圧洗浄機のような水流を想像されてしまうかもしれないが、所詮はペットボトルなのでそこまでの圧力はかからない。ホースの先を潰してシューッとやる程度、と考えていただきたい(写真3)。
それでも汚れの大半は洗い流すことができる。ざっと汚れを押し流してしまったあと、水を出しながら先端のブラシでゴシゴシする。新品同様にピカピカになるわけではないが、手間や準備の手軽さを考えたら、水だけでも十分な洗浄力がある。
本来ならばただ捨ててしまうだけのペットボトルが有効活用でき、使うのは水だけなので、自然にも優しい。お掃除だけでなく、鉢植えの水やりや、犬の散歩時にオシッコを洗浄するなど、いろいろな活用法がある。アイデア次第で用途の多い製品だ。(了)
本連載では、読者の皆さんからの、ご意見、ご質問、取り上げてほしいトピックなどを、広く募集しています。編集部、または担当編集の風穴まで、お気軽にお寄せください。(編集部)
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