会社員でもフリーでもない、その中間ぐらいの生き方を模索しているところです──モリジュンヤ×徳谷柿次郎

mori-kakijiro-610-top-001-103-1.jpg

「会社にいること=安定」の図式は変わりつつあります。一方で、会社を離れて起業やフリーランスになることが唯一の答えでもありません。

複業を柱とする人、会社のリソースを利活用しながら社外の人とゆるやかに連携して価値を創り出す人、プロジェクト・チーム単位で仕事をする人──。会社に「所属している/いない」の二元論を超え、従来型の組織や雇用制度の枠外で、仕事をしている人たちがいます。

個人と会社の生き方、働き方をうまく行き来しながら、自分の立ち位置を作り上げている人に話を聞いていきます。1回目はフリーライターから起業したモリジュンヤさん、会社員から独立した『ジモコロ』編集長の徳谷柿次郎さんに聞きます。

「フリーランス→起業、会社員経験なし」。「会社員からの独立」だけが唯一の正解ではない

48-4.jpg

モリジュンヤさん。『THE BRIDGE』などのメディアを中心にフリーライターとして活躍し、2015年に編集デザインファーム「inquire」を立ち上げた。大学3年生のころに出会った”おもしろい大人たち”の存在も進路を決める上で大きかったという。「IDÉE(イデー)」の創業者 黒崎輝男さんや、現在Next Commons Labを運営する林篤志さんが立ち上げた自由大学で、佐々木俊尚さんが講師を務める「ノマドワークスタイル」講座などに参加。そこで『サイボウズ式』初代編集長である大槻幸夫にも出会い、自由な人生の選び方に気づかされたのだとか。大学卒業後は、在学中に出会った面白い大人たちが運営するメディア『greenz.jp』に編集アシスタントとしてジョインした。

「会社員数社→独立・起業」。浅瀬で溺れて、チャンスをつかむ

41-2.jpg

徳谷柿次郎さん。2016年にバーグハンバーグバーグを退職し、株式会社Huuuuを立ち上げた。『ジモコロ』編集長。上京するきっかけとなるノオト代表・宮脇淳氏とは東京で行われた『R25』の編集会議で出会ったという。松屋でシフトリーダーとしてバリバリ働いていた26歳。「チャンスが来たから、このあとのお金の締め作業を任せていいか?」といっしょに働いていたおばちゃんに仕事を任せ、宮脇さんに会いに行った。

”ギルド的組織形態”のなかで個人名と組織の記号を使い分ける

46-3.jpg

柿次郎さんが好きなラッパー、SHINGO☆西成の『心配すな..でも安心すな』という曲も、柿次郎さんの生き方を支えているそうだ

93-16.jpg

生活ありきの働き方をするための、”生存本能”と”好奇心”

153-6.jpg

inquire inc.では、メディアの立ち上げや運営に加えて、社内報のコンテンツを制作したり、社内の新たな動きを伝える情報発信を行うことで企業のインナーコミュニケーションを支援している。人や組織の意識を変えながら、自律性を高めるのが狙いなのだという

「波風が立っていない状態は怖い」迫られる”安定”の再定義

160-12.jpg

対談の終盤、「スッと消えていきたい…」とこぼしたモリさん。なんでも以前の自分と比べてインターネット上で目立たなくなってから、売り上げが伸び始めたのだとか。

会社に就職することなく、フリーランスの道を歩み、記号を使い分けるために法人を設立したモリさん。カウンター志向で会社を移動しつつ、独立、ギルド的組織運営で新しい仕事の進め方を模索する柿次郎さん。別々の道を歩まれてきたお二方のこれまでを伺うと、キャリアは決して一直線ではないということにあらためて気づかされます。そして、”小さなオープンイノベーション”は会社員やフリーランスといった立ち位置に起因するのではなく、個として”安定”をいかにとらえ、行動するかに懸かっているのではないでしょうか。(長谷川リョー)

取材・文:長谷川リョー/写真:橋本美花

Comment