【第11回】言語の栄光と没落──言語は無くなるもの。作りたいものに合わせて使い分ける
10回目では、プログラミング言語にたくさんの種類があることを学んだよね。でも、今ある言語はみんなが大人になった時も存在しているのだろうか。これからプログラミング言語を学ぼうと思っているみんなに知っておいてもらいたいことがあるよ。
※この連載は、毎日新聞社発行の月刊誌「NEWSがわかる」で連載している記事の転載です。
言語は使い分けられる
たくさんの種類がある言語だけどそれぞれ目的にそって使い分けているよ。動画再生サービスのYouTubeを例に説明しよう。
サーバーの中で動くこびとさん向けの指示書はC、C++、Python、Java、Goという言語で書かれている。パソコンで見る時、パソコンの中のこびとさん向けにはHTML5とJavaScriptが使われている。スマホやタブレットで見る時にも基本的には同じだけど、YouTube専用の「アプリ」は JavaやSwiftで書かれているんだ。
いろいろな場所で動くこびとさんに合わせて、それぞれ違う言語を使うんだ。
言語は諸行無常※
どの言語を習得したら将来のためになるのか気になる人もいるだろう。でも、言語は簡単に滅ぶものなんだ。10年後にどうなっているかは誰にも分からない。
今YouTubeではHTML5という言語が使われているけれど、YouTubeが創業した2005年にはFlashが使われていたんだ。しかも今年になって、Flashは2020年にサポートが終了することが分かった。だから、将来のためにどの言語が良いかと考えるよりも、作りたいものをまず考え、それを作ることができる言語を選ぶことをおすすめするよ。
*諸行無常:ありとあらゆるものはすべて常に変化し少しの間もとどまらないということ。
(転載元:ニュースがわかる・発行:毎日新聞社/イラスト・斉藤恵/©サイボウズ/毎日新聞社 2017)SNSシェア