「青野さん、就活で正しい選択ってできますか?」「覚悟を持って、えいや! で選びましょう」──学生がサイボウズ社長に疑問をぶつけてみた
「大企業に入れば安心」という時代じゃないらしいけど、それなら、いい会社ってどこにあるのだろう? そもそも就職前の学生が、信頼できる企業を見極められるの?
3月9日にサイボウズ東京オフィスで開かれたサイボウズ式Meetup#6。今回は「サイボウズ社長・青野が学生の『就職』や『働くこと』に対する悩みや疑問に答えます」というテーマで、学生限定のミートアップを開催しました。
大切なのは「自分の判断基準」を持つこと
会社を選択する際に大切にすべきことは何だと思いますか? また、信頼できる会社とはどのような会社でしょうか?
「友達がこんな基準で選んでいるから自分も」と真似しても、自分に当てはまるとは限らない。むしろ自分にとって大切なものを失う可能性がある。
「私は働くことで、こういうものが欲しいんです」と、自分の願望や目標をはっきりさせる。企業でその欲しいものが得られるかどうかが大事ですよね。
自分の判断基準を持つにはどうしたらいいのだろう?(自分でしかどうしょうもない疑問だ)#サイボウズ式Meetup
— ほりこーき/堀光希 (@koukikabocha) 2018年3月9日
自分が本当にほしいものとは?
— selenasuyu (@suyu_6) 2018年3月9日
大切にしたいものとは?
どう見つければいいのか?#サイボウズ式Meetup
具体的な話をすると、『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0』という書籍があります。
その上で、自分は今までどのような基準で、何を選んできたかを振り返ってみる。よかったと思える選択とかね。
ただ、人は経験によってどんどん変わっていくものです。もちろん僕もそう。だから「自分の判断基準」は、就活の時だけではなく、これからもずっと探し続けていかなければならないことでもあるんですよ。
「会社」を信頼してはいけない。信頼するなら「人」を
「サイボウズ」を信頼するといっても、サイボウズという会社には実体がないですよね。だから、その意味では会社は存在しないんです。信頼するとしたら、経営者だったりメンバーだったり、人ですよね。
そういうことを伝えたくて、最近本を出版しました。『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。』というこちらの本です(笑)。
「今後求められる人材(新卒)ってどんな人?」
今後求められてくる人材(新卒)はどういった人でしょうか? 青野さんは、どのような学生を採用したいと考えていますか?
チームが集まる。組織ができる。そこには何か理由があるはず。その理由に即してない人が入ると、お互いに不幸になってしまいますから。
答えはない。えいや!で選ぶ。自分で選ぶ。
社会が多様化する中で、「選択肢」も多様化していると思います。確実に「正解」と言えるようなものはなく、個人が各々で「正解」を決めていくことができるようになりました。どのようにして「これが正しい選択だ」と決めていけばよいのでしょうか?
まず結論からいうと、正しいかどうかは、選んだ後もわかりません。人生一度しかないので、「A社よりB社に入っておけばよかった」というのは比較しようがないんですよね。
なので、自分の選択が正しかったかどうかは未来永劫わかりません。もうね……「えいや!」ですよ。
「誰かが言っていたから」という基準で選んでいる限り、いつまでも自分で責任をとらずに他人のせいばかりにしてしまいますから。
でも、自分で選んで、「責任はすべて自分がとるぞ」「失敗したら転職すればいいんだ」という覚悟ができると、何を選んでも後悔することはありません。
自分は一人だけ。他人に正解は教えてもらえません。えいや!で選ぶんです。その覚悟を持てるかどうか。これが人生の楽しみ方です。
「仕事ってそんなに大変なんですか?」
仕事ってそんなに大変なんですか?
これ、実際に質問した人にどういう意味の「大変」なのか、聞いてみたいな。
優先席で睡眠をとっている社会人、その前に立つ年配の方……みたいな光景を見て、「そんなに大変なのかな」と。そんなに周りを見ることができなくなるほど疲れちゃう仕事ってどうなの? と思って質問しました。
ただ、日本って働きすぎってよく言いますけど、人によって疲労度は変わってきます。できれば、自分の限界を知りながらマネジメントしたいところです。
できればこの雇用制度をアップデートしたいんだけど、残念ながらいま国会ではそのことについて議論がされていない。
自分で働く時間や場所を選ぶ権限、断る権限、それを持たせるような法改正が今後必要かな、と思っています。
(※)メンバーシップ型雇用:年功序列や終身雇用を前提にした、職務や勤務地、労働時間を限定しない雇用の形。
イケてる代表とイケてない代表、どうやって見分ける?
イケてるイケてない代表、人はどう判別にすればいいのか???#サイボウズ式Meetup
— selenasuyu (@suyu_6) 2018年3月9日
もうね、大企業の経営者とか、意外とイケていない人が多いんです。「改革だ!」なんて偉そうに本を書いていても、年功序列ひとつ変えられない人が、ちょっとビジネスモデル変えたくらいだったりしますから。
発信を積極的に行わない代表者はもったいないですよね。せっかく話を聞いてもらえる立場なのに。発信をしていないとなると、言動一致しているかどうか、確かめるのはなかなか難しいと思います。
大人になっても夢を追い続けるには「持ち替える力」が大事
青野さんはやりたいことが明確で突き進んでいるように見えますが、どうすれば大人になっても夢を追いかけることができますか。
小さい頃からコンピューターが好きで、大人になったら技術者として自分の納得がいくまで追求したかった。でも、才能がなかったですね。大学でサイボウズ株式会社の共同創業者である畑さんと出会って、直感で「絶対勝てない」と思った。
そういった経験でひとつ言えるのは、夢っていうのは状況に応じて変わっていくということです。いつかは諦めなければいけないときがくるかもしれない。
そのときに必要なのは「夢を持ち替える」力。リセットして入れ替え、次の夢に向けて頑張ろうと思える力です。
そうすれば大人になっても夢を追い続けることはできるかもしれません。夢はね、変えてもいいんですよ。
いろんな人の話を聞いてみてもいいけど、最終的な答えは自分の中にしかない。そんな感じで、もうちょっと人生を楽しんでみればいいんじゃないかな、と思いました。
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