「株主といっしょに作る」株主総会は、本当に実現できませんか?──カヤックCEO柳澤さんとサイボウズで議論してみた

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株主総会というと、かしこまった雰囲気の中で業績発表をし、決まりきったアジェンダに沿って拍手をもらって終わり──。こんなイメージかもしれません。

しかし、「チームワークあふれる社会づくり」を目指すサイボウズでは、株主のみなさんにもサイボウズのチームの一員であってほしいと願い、年に1度の株主総会で「どうやったらサイボウズがもっとよい会社になるか」「会社と株主との関係をどのようにつくっていくべきなのか」を議論できる場にしたい、と考えました。

3月29日、サイボウズの第20回定時株主総会の後、「株主と良好な関係を築き上げるには?」というテーマでパネルディスカッションが開催されました。

ゲストは、面白法人カヤックの代表取締役CEO 柳澤大輔さん。カヤックが実施している株主を巻き込んでいくための施策の数々を聞いて、株主のみなさんも含めて一堂、目からウロコ状態。サイボウズからは社長の青野慶久と副社長の山田理が登壇し、DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビューで編集長(当時)を務める岩佐文夫さんのファシリテーションで、白熱のディスカッションが行われました。

自分がつくる側、かかわる側になると何でも面白くなる

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岩佐文夫さん。1964年大阪府生まれ。1986年に自由学園最高学部を卒業し、同年、財団法人日本生産性本部入職(出版部勤務)。2000年ダイヤモンド社入社、DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集部。2004年書籍編集局に異動し書籍編集者に。2012年より編集長に。2017年3月末に編集長を退任した

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柳澤大輔(やなさわ・だいすけ)さん。面白法人カヤック代表取締役CEO。1974年香港生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、ソニー・ミュージックエンタテインメントに入社。1998年、学生時代の友人と共に面白法人カヤックを設立。鎌倉に本社を構え、鎌倉からオリジナリティのあるコンテンツをWebサイト、スマートフォンアプリ、ソーシャルゲーム市場に発信する。ユニークな人事制度(サイコロ給、スマイル給)や、ワークスタイル(旅する支社)を発信し、「面白法人」というキャッチコピーの名のもと新しい会社のスタイルに挑戦中。2015年株式会社TOWの社外取締役、2016年クックパッド株式会社の社外取締役に就任。著書に『面白法人カヤック会社案内』(プレジデント社)、『アイデアは考えるな』(日経BP社)などがある

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面白株主制度では、株主会議のほかに、株主経由で社員の入社が決まると鳩サブレーを39(サンキュー)枚プレゼントする「株主人事部化大作戦」、1日限定でカヤックについて株主に真剣にブレストしてもらう「株主版ぜんいん社長合宿」、ラッピングバスで全国縦断し、個人投資家向けに会社説明会をする「全国縦断!バスで旅する投資家説明会」も実施している

会議の中で一番嫌いなのが株主総会。どうしたらいい?

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岩佐さんによると、ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)では、2008年にリーマンショックを機に「株価を追求する経営って本当に正しいのか?」「経営って何なんだ?」「企業は社会とどう向き合うべきなんだ?」と自問自答し、自らを見直したという。「今ではHBSの卒業生の半数がNPOに行くようになっていますし、社会的価値と経済的価値の融合が、経営学の一番ホットなトピックになっています」(岩佐さん)

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青野 慶久(あおの よしひさ)。1971年生まれ。愛媛県今治市出身。大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、松下電工(現 パナソニック)を経て、1997年8月愛媛県松山市でサイボウズを設立。2005年4月代表取締役社長に就任(現任)。社内のワークスタイル変革を推進し離職率を6分の1に低減するとともに、3児の父として3度の育児休暇を取得。2011年から事業のクラウド化を進める。総務省ワークスタイル変革プロジェクトの外部アドバイザーやCSAJ(一般社団法人コンピュータソフトウェア協会)の副会長を務める。著書に『ちょいデキ!』(文春新書)、『チームのことだけ、考えた。』(ダイヤモンド社)がある

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株主総会の場で、株主同士にも仲良くなってもらう

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サイボウズは株主にもっとコミットしてもらわなくてはいけないのかもしれない

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山田 理(やまだ おさむ)。サイボウズ 取締役副社長 兼 サイボウズUSA(kintone Corporation)社長。1992年日本興業銀行入行。2000年にサイボウズへ転職し、責任者として財務、人事および法務部門を担当し、同社の人事制度・教育研修制度の構築を手がける。2014年からグローバルへの事業拡大を企図し、米国現地法人立ち上げのためサンフランシスコに赴任し、現在に至る。

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後編に続きます。

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文:荒濱 一/写真:谷川 真紀子

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