【最終回】失敗をおそれない──プログラミングは「答えのない学び」
自分が作りたいものを考え、それを作ることができる言語を選んだら、いつだってプログラムを書くことはできる。とはいえ、いざやってみると、きっとみんな一度は壁にぶつかるだろう。でも、それは僕たちプログラマーも通る道なのだ。プログラムを書くとは、いったいどういうことなのだろう?
※この連載は、毎日新聞社発行の月刊誌「NEWSがわかる」で連載している記事の転載です。
答えのある学び
プログラミングは2020年に必修化されるけれど、そもそも授業で今習っているような勉強とはちょっと違うところがあるんだ。
歴史や漢字、算数の計算は、答えがあるものだよね。教科書に書いてあることを先生に教えてもらってそれを覚えることが多い。だけどプログラミングの教科書に書いてあることを丸覚えしたり先生の話を聞いたりしているだけでは、プログラムが書けるようにはならないと思うんだ。
答えのない学び
歴史や漢字、算数の計算など、受け身で学ぶものと違い、図工や家庭科の裁縫などは、答えがない。先生に言われたことをやっているだけではだめで、自分で手を動かしてやってみることが大事だ。プログラミングはこちらの要素が強い。
自分でやらなければ何もできないけれど、それは逆に、作りたいものがあった時、とりあえず手を動かしてみれば前に進めるということでもあるんだ。一つの答えを見つけて終わりではなく、納得するまでやることが大切だ。
失敗してもいいんだよ
世の中には便利なものがいっぱいあるよね。すでにあるプログラムを使ってつなぎ合わせることで自分の作りたいものができたならそれはそれでいい。ただ、すでにあるもので問題解決ができない時、自分で解決しようとする力が必要になってくる。まだ世の中にない新しいものを作り出す力とも言えるね。
いざ作ろうと取りかかった時、きっと一度は失敗するだろう。でもそれはとても大事なことなんだ。どうして失敗したのか、どうしたらうまくいくのかと試行錯誤することで、失敗の原因を探すスキルが身につくからだ。
失敗してもあきらめずにやり遂げれば、「できた!」「やったー!」という達成感や楽しみも味わえるよ。僕たちプログラマーも、プログラムを完成させるまでにたくさんの失敗の道を通ってきた。でも失敗は悪いことではない。失敗をおそれずにチャレンジすることが大事だよ。これはプログラミングに限らないことかもしれないね。
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