無責、価値観の問い直し、メディアの輪郭を広げる──2019年を編集部で振り返ってみた
2019年は、サイボウズ式の記事企画に加え、出版事業「サイボウズ式ブックス」やサイボウズ式の海外発信メディア「Kintopia」の立ち上げ、動画展開、コミュニティ「サイボウズ式第2編集部」と、編集部で様々なチャレンジをしました。2019年のサイボウズ式企画の一押しをまとめてみました。年末年始にぜひお読みください。
「自分の理想の働き方ってなんだろう」と考えるきっかけを(山口)
就職活動をしながらのインターンだったので、去年よりはインターンに割ける時間が少なかったのですが、自分の企画はもちろんのこと、動画プロジェクトに参加したり、社外の方と協力して、イベントの記事化に挑戦させてもらったりと新しい経験も積めた1年だったと思います。
2019年、印象に残っている企画は、インターン生で協力した「サイボウズ社員約500人の働き方を調べてみた」です。半年間ほどの期間をかけて、様々な社員の方に協力いただき記事をつくりました。自分で執筆にチャレンジしたこともあり、印象に残っています。
「100人100通り」という言葉だけではわからない、サイボウズの働き方を知ることができる記事になっています。「自分の理想の働き方ってなんだろう」と考えるきっかけになると思いますので、ぜひお読みください。
自分の理想を問い、意識して選択していくことも「自立」(神保)
振り返ると、今年は仕事のキャリアだけでなく、家族と自分の人生を考えた1年でした。そんな2019年、印象に残っている記事はブロガーズ・コラムの「会社から自由になるだけでは「脱社畜」とは言えない──大切なのは、自分の人生を歩んでいる実感を持つこと」です。
サイボウズに入社して以来、社内で「理想」「自立」という言葉をよく耳にします。課題解決における理想ももちろんですが、自分にとっての「理想」を問い、意識して選択していくことも、サイボウズでは1つの「自立」としています。
このコラムでも、「自分の人生を歩んでいる実感」や「個人がよりよく生きるために会社を活用するといった視点」が大切であると示しており、この2つは個人的に大きな学びとなりました。
記事だけでは伝えられなかった人柄や雰囲気を、動画で伝える(高橋)
社会人1年目となった今年は、記事に加え書籍や動画などさまざまなプロジェクトに携わらせてもらえました。学生のころは見るだけだったサイボウズ式に、作り手としてかかわれていることに、入社して半年以上経った今でも喜びを感じています。
サイボウズ式はこれまで多くの企画を出していますが、その多くは記事による発信でした。今年挑戦した「動画プロジェクト」はサイボウズ式のオウンドメディアとしての可能性を広げるのではと考えています。
フローレンスの駒崎弘樹さんがサイボウズに1日インターンにいらっしゃった様子を動画にまとめました。記事だけでは伝えられなかった、登場人物の人柄や雰囲気。社長 青野のサイボウズでの普段の様子を、リアルに体験してもらえると思います。
弱みや強みを共有することが、心理的安全性を作る(鮫島)
今年は「挑戦する年」にしようという思いがあったため、仕事でも私生活でも新しい経験をたくさんしました。それもあって、今年は今まででいちばん自分と向き合った1年だったかと思います。
そんな2019年で印象に残っている企画は、「「弱みを見せると社会的立場を失う」という考えは、なくなりつつあるのでは」です。
新しい環境へ行くと、知らなかった自分に出会うことが多いため、今まで以上に自分の強みや弱みがわかるようになりました。実体験とこのコラムを通して、それらを他者に共有することで心理的安全性の高い環境が作れることを学びました。
「こうあるべき」と思い込んでいた自分の価値観がほぐれるヒントを(鈴木 健斗)
そんな事情とも関連して、印象に残っているのは下記の企画です。この企画は、ある日Twitterでリツイートされてきたつぶやきが元になっています。
そこには、「せっかくいい大学に入ったんだから」と周囲から言われて、望まない就職をしようとしている学生モヤモヤがつづられていました。それを読んだとき、率直な疑問として「いい大学に入ったら、いい会社に就職しなきゃいけないのかな?」と考えたんです。
私はサイボウズ式というメディアに関わってから、いろんな働き方や生き方に触れてきました。多様な価値観を知れば知るほど、「こうあるべき」と思い込んでいた自分の価値観が、ほぐれていくのを感じます。そういう誰かの息苦しさがほぐれていくような企画を、2020年もつくりたいですね。
製品を作り、届ける上で大切なことは何か(鈴木統)
どれも思い出深いのですが、印象に残った記事は、「5代目社長はスクラムマスター。ミートボールの石井井食品は70年前からアジャイル型組織だった──石井智康×青野慶久」です。
エンジニアでアジャイルコーチ、スクラムマスターでもある石井食品社長に、石井食品には創業当時からアジャイルの精神が根付いていたこと、社会のニーズに合わせた現在の取り組みなどをお伺いしています。
「ものづくり」の観点から見た、伝統的な食品会社とITの世界の意外な共通点から、商品・製品をつくり、届けるうえで、何が大切なのかを考える機会をいただきました。
無責の概念で、わたし自身も変われた(明石)
今年はサイボウズ式ブックスの立ち上げなどもあり、サイボウズ式の記事制作の本数は減ってしまいましたが、作った記事はどれも思い入れのあるものばかりです。
その中でも一番思い入れがある記事は、熊谷先生と青野さんの対談。「誰のせいにもしない」という無責の概念は衝撃的で、この記事で、私自身も変われたような気がします。つくることで自分自身も変わっていけるような、そんな記事を来年もつくっていきたいです。
We launched Kintopia, CybozuShiki's English language twin media website(Alex)
It's been a long and eventful year, filled with more new and exciting content that I'd have ever imagined. I spent the first half of 2019 having a blast writing manga stories, learning about Cybozu and talking to my new bosses. Then in July, the real hustle began—we launched Kintopia, CybozuShiki's English language twin media website.
Thanks to the new platform, I had the amazing opportunity to conduct interviews with a wide range of people much smarter than myself, from billionaire Slack founder Stewart Butterfield to renowned Oxford Professor Sir Paul Collier. But for me, the piece of content that really stood out was a chat on pay transparency I had with author and professor David Burkus. I highly recommend this piece; a perfect blend of highly practical advice and solid research.
Even more fun and exciting content is planned for 2020, so make sure to come check it out over on Kintopia!
複業や二拠点生活、これからの働き方に迫りたい(竹内)
2019年の企画で、個人的に最も印象に残っているのは、「「地方は仕事がない」は幻想でしかない――ひとりの力が地域に与える「複業×二拠点生活」の影響力」です。
「都市部のビジネスパーソンが、地方の企業で複業する」をテーマにした記事ですが、2700を超える「いいね!」が集まり、複業を通じて地元や地域へ貢献することに関心を寄せている人が増えていることを実感しました。
オリンピックを契機にリモートワークなどに注目を集めていますが、来年はより一層、これからの働き方に迫ってみたいです。
Webから書籍へ、サイボウズ式ブックスの立ち上げ(小原)
書籍を作るにあたり、出版の前に北野唯我さん、伊藤羊一さん、株式会社わざわざ代表取締役の平田はる香さんやONE JAPAN発起人・代表の濱松誠さん、三越伊勢丹の神谷友貴さん、佰食屋の中村朱美さんなど多くの方と著書である副社長の山田理が対談し、記事としても公開してきました。
多くの方とお話をすることで、私たちもより考えや理解が深まり、深みのある本になったのかなと思います。
おかげさまで書籍は売れ行きも好調で、Amazonの総合ランキングで最高22位、「マネジメント・人材管理」のカテゴリで現在1位をキープするなど、サイボウズ式というwebメディアから広がって、より多くの方にサイボウズの考え方を知っていただくことができた年になったと思います。
来年もまた、多くの方の働くことを考えるきっかけとなる書籍づくりに取り組んでいきたいと思っています。
自立した個人が集まって、チームで成果を出す「未来のチームの作り方」(藤村)
この本は、サイボウズ式を立ち上げてから、編集部のチーム作り進めてきた試行錯誤をまとめた内容になっています。編集部のみんなのおすすめ記事を見ていただくと分かる通り、編集部は多様な個性を持ったメンバーが、個人の思いを元に、「新しい価値を生み出すチーム」のためのメディアを運営しています。
サイボウズでは「100人100通りの働き方」を認めており、編集部のみんなも働く時間や場所がバラバラです。働く時間や場所を自由にするためには、「自分がこういう働き方をしたい」という自立がまずは必要です。次に、自立した個人の思いをチームに共有して、みんなから共感を得ることが不可欠です。そして、そういった多様な人が集まって、自由に働いて、「チームで成果を出す」ことが求められます。これらのエッセンスをまとめた書籍になっています。
下記の記事では、未来のチームの作り方の「はじめに」の公開にチャレンジしました。ぜひ、お読みください。
読者が挙げる「2019年のサイボウズ式のもっとも印象に残った記事」
Twitterで、サイボウズ式の2019年のもっとも印象に残った記事を、読者の皆さんに挙げてもらう取り組みも進めています。ハッシュタグ「#サイボウズ式2019」をつけてツイートしていただいたものも挙げてみます。
こちら、反響がありましたので、ぜひ読者のみなさんの「サイボウズ式2019年の印象に残った記事」をツイートでおしらせください。ハッシュタグは #サイボウズ式2019 です。一定数ツイートがあれば、Togetterなどでまとめていく予定です! https://t.co/eyK2ltBZWn
— 藤村 能光 | 「未来のチームの作り方」本 発売中! (@saicolobe) December 4, 2019
サイボウズ式第2編集部と社員のピックアップ
こちらは、サイボウズ式の読者コミュニティ「サイボウズ式第2編集部」のメンバーやサイボウズ社員のピックアップです。#サイボウズ式2019
— あかまつ もんざえもん/コミュニティデザイナー (@akamatsusho) December 4, 2019
1番印象に残ったのはやっぱり、自分の夢を叶えたもの。
#前田デザイン室 とコラボしたサードプレイスと働き方に関する自分の記事です。
想い入れはめちゃあるし、こういう考え方もっと広がって欲しいし、結局広げようと努力してきた1年でした。https://t.co/tAXT2sBLfx
今年一番印象に残った記事。
— 藤森ユウワ@ツールライター (@yuuwa515) December 4, 2019
社会の急激な変化によって誰もが「生きづらさ」を感じている現代。
でも、そんな時代だからこそ、健常者と障害者という枠組みを超えて「多様性」を認め合える社会になれる可能性があると信じています
当事者の一人として。#サイボウズ式2019https://t.co/JKeu1ZmHi7
読み返して再び沁みた言葉
— 木村 和博 (@kimu0117kazu) December 4, 2019
"「理想の時間の使い方」を常に考え、時には諦めることをも覚え、自分をコントロールしていくことが、何よりも大切なのだ"
複業のやりすぎで、心身のバランスを崩した話。「複業との付き合い方」を考え直してみた | #サイボウズ式2019
https://t.co/vHKvlH8qcQ
#サイボウズ式2019
— あおやま@低浮上 (@SEARCH_LOG) December 4, 2019
サイボウズ社員の多様な働き方がわかる面白い記事でした。
働き方を自分で選択する風土づくりを
ツールで仕組み化していることと、そのデータがアウトプットとしてこのような記事になっていることがまた面白い!https://t.co/xTE7jjJufO
#サイボウズ式2019
— たけう (@knc39) December 24, 2019
一時期お守りのように読んでいました。https://t.co/RVUOYD9K5t
昨年から始まったマンガ記事。
— ゾラ (@zora_koji) December 23, 2019
肩肘張っておらず気楽に読めるので、とても好きです。#サイボウズ式2019
「寝坊してしまった……上司に怒られる!」と思いきや、嘘をつかなかったことを褒められた | サイボウズ式 https://t.co/QDnI16mOwZ
#サイボウズ式2019
— みつお | #kintoneでチーム作り (@nack_320) December 10, 2019
中間管理職の立場から風土改革にチャンレンジしているけど、なかなか上手く行かず、心が折れそうになった時に読んだ記事。
青野さんの「サイボウズもここまでくるのに14年かかりました」という言葉をみて、もうちょっと頑張ってみようと思えた。https://t.co/omOmTMaaev
サイボウズ式で記憶に残った記事はこちら!
— 森 信一郎 @サイボウズ (@nemorosus) December 23, 2019
はじめて株主の皆さんと会って交流する司会担当イベントだったので、前日が一番緊張しました
「サイボウズの株価が上がらないのは、市場に嫌われているからですよ」と言う株主に、解決策も聞いてみた https://t.co/955K843Iaz#サイボウズ式2019
#サイボウズ式2019、印象深かったのはやっぱりこの記事だなぁ。手前味噌ですが。
— よっしー / 吉原寿樹 (@yosshimusic) December 23, 2019
この後、自分のチームの上司の交代もあって、「マネジャーがやるべきことって何だ?」と改めて考えさせられることも多く、この記事を何度も思い出したものでした。https://t.co/D5CHbIRhF6
読者のみなさんのピックアップ
サイボウズ式を日頃からお読みいただいている読者のみなさんのツイートもおしらせします。「病気はあなたを助けにきている」の考え方めっちゃ大切だと常々思います〜
— おかだりく (@tibitaazsa) December 5, 2019
ここにきて今年一番。#サイボウズ式2019
問題は、組織を助けてくれるアラート。苦労を取り戻せるチームは強くなる──向谷地生良×宇田川元一 | サイボウズ式 https://t.co/xIuXlTi5LH
約500人の日報をすべて読み、社内情報を把握しまくる社員に心底驚いた話 | サイボウズ式 https://t.co/sUmOBZvW9c
— タピオカ (@syaga9_tk) December 10, 2019
情報がオープンであることと各々が欲しい情報にたどり着けるかは違うよなあと思った記事。情報共有を頑張っていこうというときに参考になる。#サイボウズ式2019
今年のサイボウズ式で一番印象に残った記事は、熊谷晋一郎氏と青野氏の対談。後半の「見えやすい障害」と「見えにくい障害」、「省察モード」の思考は、人それぞれが違っていてあたりまえ、ということを違う方向から言語化されていて腑に落ちた。 #サイボウズ式2019 https://t.co/lWseViO4js
— ラッキィ (@lucky_jp) December 4, 2019
どれにしようか迷ったけれど、
— nishi (@nishi_oze) December 4, 2019
さっき起きてきた2歳娘の嘘のない笑顔を見て、以下にしました
アホはいいけどウソは駄目https://t.co/hV9DBML6O4#サイボウズ式2019
#サイボウズ式2019 #サイボウズ さんの2度目の海外進出の挑戦と、働き方改革への警鐘と将来の展望が分かり、これからの #サイボウズ さんの活躍の期待度がさらに高くなりました。https://t.co/GxpoQdZuE3
— Tomi (@Tomi_10310809) December 21, 2019
最後に
2019年もサイボウズ式をお読みいただき、本当にありがとうございました。今年は「新しい価値を生み出すチームのメディア」として、より幅を広げていく活動をしました。企画で扱ったテーマも多種多様ですが、既存の常識とは異なる価値を生み出すためのヒントとなる企画を作ることができました。2020年のサイボウズ式もぜひお楽しみに!SNSシェア