これからのマネジャーについて、話そう。
上司の「信頼している」は余計なお世話。マネジャーは責任を取って任せるだけ

メンバーは思うように動いてくれないし、仕事をどの程度任せればいいのかわからない。マネジャーがどのように振る舞えばいいのか、正解はどこにあるんだろう。三越伊勢丹に勤める神谷友貴さんも、初めてのマネジャー業に悩んでいるお一人。
今回は、マネジャーに関する本を出版予定のサイボウズ副社長・山田理と神谷さん、そしてONE JAPAN発起人・代表の濱松誠さんを迎えて、マネジメントのヒントを探ってみました。
「信頼してる」って言葉はすごく一方通行。余計なお世話なんじゃない?


いまは丸ごと仕事を任せているか、任せるというより一緒にやる形になるか、どっちかに偏ってしまっていて。バランスが難しいなと。

神谷友貴(かみたに・ゆき)。株式会社三越伊勢丹に新卒入社。2年間婦人服の販売に従事したのち、婦人服のアシスタントバイヤーを3年経験し、百貨店事業本部MD戦略部MD政策ディビジョンに異動。現在はデジタル事業部新規事業ディビジョンカリテにてマネジャーの職務についている。濱松さんが代表を務めるONE JAPANにて富士通担当者と出会ったのをきっかけに、ドレスレンタルサービス「CARITE(カリテ)」のトライアル検証を2018年8月に銀座三越でスタート。

成功したらメンバーのおかげ、失敗したら自分の責任と考えると、放任の仕方が変わるんですよ。



そうすれば、マネジャーは情報が共有されやすい状態をつくる必要が出てくるよね。


僕も以前は「信頼が大事」ってめっちゃ言っていたけど、相手にしてみたら、余計なお世話かもしれない。

山田理(やまだ・おさむ)。サイボウズ 取締役副社長 兼 サイボウズUSA(Kintone Corporation)社長。1992年日本興業銀行入行。2000年にサイボウズへ転職し、責任者として財務、人事および法務部門を担当し、同社の人事制度・教育研修制度の構築を手がける。2014年からグローバルへの事業拡大を企図し、米国現地法人立ち上げのためサンフランシスコに赴任し、現在に至る。

たとえば、何か間違った方向に行こうとしている人には「それは違うよ」と言ったりは。



「隣の人が何をしているのか」は知っておいた方がいいの?

マネジメントする立場の人に伝えたいことは、ただひとつ。情報共有が大事だということ。







すると、誰かと話したときに、知らない情報が出てくる。そのときに「壁があった」と感じるみたい。


その情報を選ぶかどうかはその人次第だから、基本は一人ひとりに任せておけばいい。



各現場の人たちそれぞれが情報を持っているはずだから、「チームとして情報をオープンにしよう」と、私が一言声がけしてみます。
オンラインのやり取りだけでOK? コミュニケーションは一度窓口を開通するのが大事


濱松誠(はままつ・まこと)。1982年京都府生まれ。大学卒業後、2006年パナソニックに入社。海外営業、インド事業企画を経て、本社人材戦略部に異動。グループ採用戦略や人材開発を担当。2012年、若手主体の有志団体「One Panasonic」を立ち上げ、組織の活性化やタテ・ヨコ・ナナメ・社外の交流に取り組む。2016年には同社初となるベンチャー企業(パス株式会社)への派遣人材に抜擢。同社家電部門にて、IoT家電事業の事業開発に従事。現在、ONE JAPAN共同発起人・共同代表。

オンライン上だと、表情や空気感、リアクションの様子、熱量などがわからないでしょう。実際に会えば「この人とはこの距離でいよう」って無意識で感じるじゃないですか。




すると、次のザツダンでそのメモを見ながら相手と話すことができるでしょ。それを繰り返していくと、ダイレクトメッセージが相談しやすい窓口にもなる。




アメリカだと半分のメンバーがオフライン、もう半分がオンラインでの参加だけど、40人全員に一人一言ずつは何か話すようにしてる。
ベースのコミュニケーションはオンラインだけど、オフラインを混ぜることでオンラインがより活性化するんだよね。
書き込まないのはその人の自由。だから「味わう」しかない

1日5回書き込む人がいる一方、1週間で1回しか書かない人もいますよね。それはマネジャーとしてどうしたらいいですかね?









だからこそ、マネジメントを大衆化していくことが必要じゃないかな。


文:中森りほ 編集:松尾奈々絵(ノオト) 撮影:小野奈那子 企画:明石悠佳
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