インターン大学生の疑問
ヒトとチームワークの起源、就活生の悩み、会社と個人の関係──サイボウズ式編集部で2017年を振り返ってみた
今年も残りわずかとなりました。サイボウズ式で2017年に公開された記事は、なんと133本。その中から編集部員に好きな記事を聞いて、振り返り座談会を行いました。
座談会では、選ばれたものからいくつかピックアップして、企画担当者の思いや記事制作にまつわる裏話などを聞きました。さて、編集部員はどの記事を選んだのでしょうか──?
2017年、多様になったサイボウズ式編集部
木村和博
今年のサイボウズ式は、どういうテーマで運営していたんですか?
藤村能光
木村和博
このテーマを追いかけた編集部は、今年何か大きく変わったことはありました?
藤村能光
多様になりましたよね。
永井さんがパリ、竹内さんが新潟から編集部に入って来て、インターン生も4人になりました。
永井さんがパリ、竹内さんが新潟から編集部に入って来て、インターン生も4人になりました。
藤村能光
人が増えた分、好きなことややりたいこと、興味範囲が違う人がチームになっているんですよね。
その多様さが、サイボウズ式をおもしろくしていると思います。
その多様さが、サイボウズ式をおもしろくしていると思います。
木村和博
永井さんは今年の5月から参加しましたよね。編集部にどんな印象を持ちましたか?
永井友里奈
思っていた以上に、「サイボウズの宣伝にならない」ように気をつけて記事を作っているんだなと感じました。
私は昔サイボウズで営業部にいたのですが、その時には考えたことがなかった視点だったので驚きました。
私は昔サイボウズで営業部にいたのですが、その時には考えたことがなかった視点だったので驚きました。
木村和博
そうなんですね。
竹内 義晴
僕も今年から編集部に入ったんです。
びっくりしたのは、企画を立てる時から記事を作成するまで、一貫して「読者に役立つこと」しか考えていないことでした。
僕は複業で、ほかの媒体でも執筆しているんですけど、書き手としての意識は変わったような気がしています。
びっくりしたのは、企画を立てる時から記事を作成するまで、一貫して「読者に役立つこと」しか考えていないことでした。
僕は複業で、ほかの媒体でも執筆しているんですけど、書き手としての意識は変わったような気がしています。
編集部員が選んだ「サイボウズ式の好きな記事ランキング」
木村和博
ここで「編集部の好きな記事ランキング」ベスト5を紹介します。
2017年の1月1日から11月15日までに公開されたものから、編集部員それぞれの視点で好きものを選んでもらいました。
集計の結果、同率5位のものが複数ありました。
2017年の1月1日から11月15日までに公開されたものから、編集部員それぞれの視点で好きものを選んでもらいました。
集計の結果、同率5位のものが複数ありました。
5位
4位
3位
2位
1位
個人Twitterのつぶやきから動きはじめた企画
木村和博
ここからは「編集部の好きな記事ランキング」から、記事をピックアップします。
まずは、京都大学総長の山極先生の記事です。企画者は明石さんと椋田さんですね。どのように企画が立ち上がったのでしょうか?
まずは、京都大学総長の山極先生の記事です。企画者は明石さんと椋田さんですね。どのように企画が立ち上がったのでしょうか?
藤村能光
この企画の発端となったのは、たしか椋田さんですよね。何かにつけ、ゴリラのことをお話されていた記憶が(笑)。
椋田亜砂美
ゴリラのことが本当に大好きで、3年ぐらいずっとタイミングを計っていました。
藤村能光
そうしたら、明石さんがTwitterでゴリラに目覚めて。
木村和博
どういうことですか?(笑)
明石悠佳
何を思ったのか、私がある日、個人のTwitterで「ゴリラのチームワークの企画をやりたい」ってつぶやいたんですよ。
明石悠佳
そしたら藤村さんがグループウェア上で「椋田さん、ここにもゴリラに興味がある人がいますよ」って伝えていて。
木村和博
ゴリラ推しの勢いがすごい(笑)。
明石悠佳
その後椋田さんと話し合った結果、「人間は、進化の過程のどの段階でチームワークを始めたのか?」というテーマで、山極先生にインタビューする企画になりました。
だから厳密には、「ゴリラ企画」ではないんですけどね(笑)。
だから厳密には、「ゴリラ企画」ではないんですけどね(笑)。
「会社が個人を縛らないことが、結果的に会社も個人も成長させていく」
眞木 唯衣
私、この記事すごく好きです。
木村和博
おっ。
眞木 唯衣
私が選んだ「好きな記事」の基準は、自分のキャリアを考えるためのヒントになるかどうかでした。
「個人の力」って、インターンとして編集部に入ったころは、全然考えてなかったんです。でも、就職が決まってから、会社の名前に依存せずに働くっていう考え方を知りました。
この記事に出てくる峰松さんは、「バリキャリ」のイメージとは正反対の柔らかい雰囲気の方だったので、すごくほっこりしました。
「個人の力」って、インターンとして編集部に入ったころは、全然考えてなかったんです。でも、就職が決まってから、会社の名前に依存せずに働くっていう考え方を知りました。
この記事に出てくる峰松さんは、「バリキャリ」のイメージとは正反対の柔らかい雰囲気の方だったので、すごくほっこりしました。
明石悠佳
峰松さんは本当に素敵な方で、取材のあともずっとファンなんです。
木村和博
この記事を公開して、明石さんの中で変化はありましたか?
明石悠佳
「会社が個人を縛らないことが、結果的に会社も個人も成長させていく」ということをあらためて感じました。
記事中で強く共感したのが、"「環境」次第で、個人が発揮できる能力は変わってくる"という箇所です。
記事中で強く共感したのが、"「環境」次第で、個人が発揮できる能力は変わってくる"という箇所です。
木村和博
この企画をきっかけに、「個人の力」特集につながっていったんですか?
明石悠佳
そうですね。峰松さんのほかにも、いろいろな方にお話を聞きにいきました。
サイボウズに転職してきた方に、「他の会社とサイボウズの違い」を聞けたらおもしろいかなと思って
木村和博
次は、サイボウズに中途採用で入社した足立さんの記事。小原さんの企画です。
小原弓佳
足立さんが主催している「ぼっち撲滅委員会」という中途入社のコミュニティが盛り上がっていて、以前から企画にできないかなと思っていました。
すると足立さんが2016年の年末に、サイボウズ社員が投票する「サイボウズ・オブ・ザ・イヤー」でMVPに選出されたので、そのタイミングで記事化しようと思ったんです。
サイボウズに転職してきた方に、「他の会社とサイボウズの違い」を聞けたらおもしろいかなと思って。
すると足立さんが2016年の年末に、サイボウズ社員が投票する「サイボウズ・オブ・ザ・イヤー」でMVPに選出されたので、そのタイミングで記事化しようと思ったんです。
サイボウズに転職してきた方に、「他の会社とサイボウズの違い」を聞けたらおもしろいかなと思って。
竹内 義晴
ちょうど、僕がサイボウズに入社したころに公開された記事ですね。
僕も何度か転職をしていて、境遇が非常に似ていました。思わず「わかるー!」と思いました。
僕も何度か転職をしていて、境遇が非常に似ていました。思わず「わかるー!」と思いました。
木村和博
インターン生の間でも、この記事で盛り上がりましたよね。
柳下桃子
「仕事デキない人を採用しちゃったな」と思われる恐怖っていうタイトルにものすごく共感しました。
まだ働いたことがない学生なのに。
まだ働いたことがない学生なのに。
木村和博
社内のできごとを扱う時に、内輪ネタにならないように意識していることってあるんでしょうか?
小原弓佳
サイボウズを持ち上げるだけの記事や、いいことだけを言う宣伝になっていないかに気をつけています。
木村和博
なるほど。
小原弓佳
具体的には、この記事を読んでほしい読者をしっかり明確にして、読んだ時にどんな気づきや価値があるか、新しい視点はあるのかを大事にしています。
ただ、企画・編集をしていると当事者となってしまいがちで、客観的な視点がなかなか持てなくなります。だから、編集会議でメンバーに「これってどうかな? どこがおもしろいと思う?」と意見を聞くようにしています。
ただ、企画・編集をしていると当事者となってしまいがちで、客観的な視点がなかなか持てなくなります。だから、編集会議でメンバーに「これってどうかな? どこがおもしろいと思う?」と意見を聞くようにしています。
やりたいことがなくて、本当に悩んでる感じがいい
明石悠佳
この企画、めっちゃ好きです。
眞木 唯衣
ありがとうございます。自分的には「この企画、おもしろいのかな?」って感じなんですが……。
木村和博
「やりたいこと」がなくて悩んでいたインターン就活生=眞木さん、ということは公開してもいいんですか?
眞木 唯衣
はい(笑)。
藤村能光
やりたいことがなくて、本当に悩んでる感じがいいですよね。
眞木 唯衣
原稿を編集しているとき、「導入部分と最後に、エッセイ的な文章を書いてみたら?」と言われました。
木村和博
誰に?
眞木 唯衣
この2人に(明石さん、藤村さん)。
明石悠佳
眞木さんと同じような悩みを持つ就活生の方ってたくさんいると思うんです。
等身大のメッセージは何より刺さると思うので、ぜひ書いてほしいなと思いました。
等身大のメッセージは何より刺さると思うので、ぜひ書いてほしいなと思いました。
眞木 唯衣
それから後半部分を追記したんです。そうしたら小原さんから「これ、いらなくないですか?」ってフィードバックをいただいて。
木村和博
(笑)。
藤村能光
この記事、サイボウズ式の編集部の大学生インターンシップに応募してくれる人が、結構読んでくれているんですよね。
明石悠佳
Twitterの就活情報アカウントでも、「やりたいことが見つからない就活生へ」といったコメントとともに紹介されていますよね。
眞木 唯衣
嬉しい……! やってよかったです。
日経新聞に広告を掲載したその日に、経産省の方から電話がかかってきて
木村和博
この企画の担当者は藤村さんですね。
藤村能光
そうですね。経産省の方がサイボウズにいらっしゃったのですが、とてもフランクに来訪いただいて。そこにびっくりしました。
木村和博
そもそも、どうして経産省の方が来ることになったんですか?
明石悠佳
「働き方改革、楽しくないのはなぜだろう。」のお詫び広告を日経新聞に掲載したその日に、「担当者に代わってくれ」と電話がかかってきて……。
担当者は私だったのですが、すぐに敏腕広報の杉山さんにバトンタッチしました(笑)。
担当者は私だったのですが、すぐに敏腕広報の杉山さんにバトンタッチしました(笑)。
木村和博
バトンタッチ(笑)。
明石悠佳
結果的に、杉山さんと藤村さんと3人で経産省の方と打ち合わせをしました。
その場で藤村さんが「サイボウズ式で企画にできませんかね」って提案されていましたよね。
その場で藤村さんが「サイボウズ式で企画にできませんかね」って提案されていましたよね。
藤村能光
役人の方って、とても遠い存在かなと思っていたんですけど、すぐに会いに来てくれる感じに驚いたんですよね。その驚きを読者にも伝えたいと思いました。
今回の20周年企画では、働き方改革に対する提案をしていきました。この姿勢とプレミアムフライデーをもとにした休み方の提案をミックスするといいのかなと。
今回の20周年企画では、働き方改革に対する提案をしていきました。この姿勢とプレミアムフライデーをもとにした休み方の提案をミックスするといいのかなと。
竹内 義晴
経産省の人も悩んでるんだなあっていう裏側が見えたのがおもしろかったですよね。
来年は、イベント運営とコミュニティ作りも継続したい
木村和博
今年はサイボウズ式の企画が多様になったと言っていましたが、来年はメディアとしてどんなことをやっていきたいですか?
永井友里奈
もっとパリの風を吹かせたいなと思っています(笑)。
「海外のビジネスパーソンの時間の使い方」などに着目して、日本人の意識改革や日本企業で外国人が働きやすくなるきっかけが作れればと思っています。
「海外のビジネスパーソンの時間の使い方」などに着目して、日本人の意識改革や日本企業で外国人が働きやすくなるきっかけが作れればと思っています。
藤村能光
記事企画にとらわれない、何か新しいことをやってみたいですね。
小原弓佳
来年は、創作意欲が湧くタイミングを待ちます(笑)。
クラウドファンディングなど、サイボウズ式の枠を超えた、さらに新しいことをしたいです。
クラウドファンディングなど、サイボウズ式の枠を超えた、さらに新しいことをしたいです。
竹内 義晴
労働人口の減少が今後社会に与えるインパクトを調べ、企画にしたいです。
「多様な人材の活用を今から考えていかないと、将来、企業経営そのものが成り立たなくなるかもしれない」という気づきを提供したいですね。
あとは、サイボウズの社内にいながら、第三者的な立場でもある「私にしかできない」企画を作りたいです。
「多様な人材の活用を今から考えていかないと、将来、企業経営そのものが成り立たなくなるかもしれない」という気づきを提供したいですね。
あとは、サイボウズの社内にいながら、第三者的な立場でもある「私にしかできない」企画を作りたいです。
木村和博
(みなさん、やりたいことが、てんでばらばら)
明石悠佳
藤村能光
Meetupは、読者の方と出会えておもしろいので、継続したいですね。
今回触れた記事以外にも「好きな記事」はたくさんありました。名残惜しい気持ちもありますが、今年の振り返り記事はこれにて終わりにします。
最後に今年に公開された記事のPVランキングと特集企画を載せておきますね。
今年もありがとうございました、また来年もお会いしましょう!
PV数ランキングと特集企画
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特集企画
働き方改革、楽しくないのはなぜだろう。 多様性は大切だけど、わかりあう必要ってあるの? 会社員が「個人の力」を身につけるためには? 撮影・渡邉 華子/企画編集・サイボウズ式編集部SNSシェア